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「Cortana」の先にあるもの--マイクロソフトが目指す未来の人工知能

Simon Bisson (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-06-10 07:30

 Microsoft Research(MSR)のハイパースケールコンピューティングによる人工知能(AI)は、われわれのコンピューティングについての考え方を変えようとしている。

 Satya Nadella氏は、Microsoftが新たに開発した「Skype」の通訳機能の仕組みを知らないと言うかもしれないが、Microsoft ResearchのAI研究チームには、非常に素晴らしいアイデアがある。同チームが使っているニューラルネットは、Noam Chomsky氏などの言語学者たちが提唱した深遠な文法理論が、われわれのコミュニケーションの基本になっていることを示す段階に近づいてきている。しかしそれは、MSRのAI研究が新しいMicrosoftをどのように支えているかという話の一部にすぎない。


Microsoftのパーソナルアシスタント「Cortana」が動作する様子。
提供:Microsoft

 Microsoft ResearchのトップであるPeter Lee氏は、先ごろ開催されたFuture in Reviewカンファレンスで、パーソナルアシスタントテクノロジの未来と実用的な人工知能の現状について語った。同氏が述べた考えから、Microsoftにとっての人工知能の重要性や、「Bing」が将来の同社製品のコアテクノロジとされている理由についての興味深い知見を得られる。

 人工知能の研究は、状況に応じた対応が可能な環境知能の基礎になっている。これはNadella氏が描くMicrosoftのモバイルとクラウドのビジョンの中心だ。そして、Skype通訳機能や、「Windows Phone」の「Cortana」のようなツールを通じて、MSRのAI研究が製品になりつつある様子が見えてくる。

 Lee氏が考えているのは、人間の手助けをする人工知能だ。そのため、Microsoftの人工知能の「顔」が、バーチャルパーソナルアシスタントのCortanaであるというのも当然かもしれない。それは終着点ではない。Lee氏が言うように、「人工知能の進化の一部分であり、どんな可能性があるかを示す」ものだ。

 MSRが、本質的には消費者向けである製品の開発に深く関与しているのはそのためである。MSRの研究の大部分は、実用段階にないコンピューティングの未来を見据えたものだが、BingやCortanaなど、Microsoftのクラウドスケールプロジェクトの多くにも組み込まれている。

 Lee氏が言うように、Cortanaは本質的に、人工知能のユーザーエクスペリエンスである。「ユーザーが目にするのは、パーソナルアシスタントのように機能することを前提に、自然な会話のための基本的な構成要素を使って作られたUIだ」(Lee氏)

 Cortanaの機能の大半を処理しているのは、その裏側にある人工知能だ。あるいは、現在の人工知能に最も近いさまざまなニューラルネットワークとルールエンジンの集合と言うべきだろうか。こうしたものは、ユーザーの個人データから推測を行い、(気味が悪くない程度の)予測ができるように設計されている。ここで出てくるのがNadella氏の環境知能だ。Lee氏は次のように問いかける。「入手可能なデータを取り出して、そこから知性を引き出すことはできるだろうか」

 Lee氏の部下の研究者たちは、この種の人工知能研究のためのユーザーエクスペリエンスに数多く取り組んでいる。Cortanaはその1つでしかない。「20~30年前からある人工知能の問題を克服し、意図を理解する」とLee氏は言う。目指しているのは、大量のデータの相関関係に焦点を絞ることで、見て、聞いて、理解することができるシステムを作り出すことだ。

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