Oracleの最高経営責任者(CEO)Larry Ellison氏は米国時間6月10日、「Oracle Database 12c」のインメモリオプションについて同社本社で発表し、分析やアプリケーションのパフォーマンス向上をアピールした。
インメモリオプションは60日以内に提供されるが、価格は発表されなかった。価格の詳細は、この「Oracle Database In-Memory」オプションが一般提供される際に明らかにされる予定だ。ただ、Oracleデータベースの他のオプションと同様に、インメモリオプションはプロセッサ単位での価格体系となるはずだ。
Oracle Database In-Memoryは、同社が今夏に予定している一連のソフトウェアリリースの皮切りとなる。Oracleの幹部らは、今夏の新たなリリースによる業績の向上を見込んでいる。また同社は、Oracle Database 12cのバグ修正を目的としたアップデートもリリースする予定だ。同データベースは1年前にリリースされており、多くの顧客が初のメンテナンスリリースを待ち望んでいる。
同データベースにおけるインメモリオプションの狙いは、比較的明確だ。
- 「SAP HANA」などの競合製品が台頭するなかで、自社の顧客を引き留める。
- アプリケーションのパフォーマンスを向上させるとともに、リアルタイム分析の可能性を生み出す。
- Oracleのアプリケーションに加えて、他のエンタープライズ向けツールのパフォーマンスを向上させる。
- Oracle Database In-Memoryに最適化されたエンジニアドシステムを販売する。
Oracle Databaseのインメモリオプションについては、2013年秋の「Oracle OpenWorld 2013」カンファレンスで大々的にアピールされていた。Oracleがリアルタイム分析という分野で競合他社の勢いを止められれば、オープンソースの競合製品から圧力を受けている同社のデータベースは、複数の投資サイクルで顧客を引き留めておくことができるはずだ。
同社の製品管理担当バイスプレジデントであるTim Shetler氏は「データベースアプリケーションに関して言うと、顧客の腰は重い。変更が必要だということを受け入れて実際に行動してもらうには、もっともな理由がいる」と述べている。
またShetler氏は、In-Memoryオプションに対して大きな興味が示されてきており、同社は顧客に対してベータテストや試用の機会を提供してきていると付け加えている。同氏は「In-Memoryオプションの透明性は高いため、簡単に試用することができる」と述べるとともに、「かなりの数の顧客が試用している最中だ」と語っている。
Oracleは、独立系のソフトウェアベンダーによってIn-Memoryオプションの最適化を実施するパートナープログラムを立ち上げる計画だ。Shetler氏によると、同社の主要アプリケーション(「JD Edwards」や「PeopleSoft」「E-Business Suite」「Siebel」)のパフォーマンスが100~1000倍に向上したことを確認したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。