チップメーカーのAMDは米国時間7月30日、同社初の64ビット対応ARMチップ「Opteron A1100」シリーズ(開発コード名:「Seattle」)向け開発キットの提供を開始したと発表した。
これにより、AMDは「Cortex-A57」ベースの標準サーバプラットフォームをソフトウェア開発者やインテグレーターに提供する初の企業となる。
AMD Opteron A1100シリーズは以下をサポートしている。
- ARM Cortex-A57コア(4コアあるいは8コア)
- 共有L2キャッシュ(最大4Mバイト)、共有L3キャッシュ(8Mバイト)
- 最高1866MT/秒の転送速度を有する、ECC搭載のコンフィギュレーション可能なデュアルDDR3あるいはDDR4メモリチャネル
- SO-DIMMやUDIMM、RDIMM(最大4個)
- PCI-Express 3.0(Gen 3)I/O(8レーン)
- Serial ATA 3(SATA3)ポート(8基)
- 10ギガビットイーサネットポート(2基)
- セキュリティ向上のための「ARM TrustZone」テクノロジ
- 暗号処理/データ圧縮用のコプロセッサ
AMD Opteron A1100開発キットは、フォームファクタとしてMicroATXを採用しており、以下を含んでいる。
- 4コアのAMD Opteron A1100シリーズプロセッサ
- 16GバイトのDDR3 DRAMを搭載した2基のRDIMM
- PCI Expressコネクタ(シングルポート8基もしくはデュアルポート4基として設定可能)
- Serial-ATA(SATA)コネクタ(8基)
- 標準電源との互換性
- 標準的なUEFIブート環境
- Red HatがスポンサーとなっているFedoraコミュニティーが有しているFedoraテクノロジに基づいたLinux環境
- クロス開発バージョンを含む、標準的なLinux GNUツールチェーン
- プラットフォームデバイスドライバ
- 堅牢なウェブアプリケーションを開発するための、ウェブサーバ「Apache HTTP Server」とデータベースエンジン「MySQL」、スクリプト言語PHP
- 開発者による64ビットARM環境での開発を可能にする、「Java 7」および「Java 8」
開発キット一式は2999ドルで提供される。
AMDのサーバビジネス部門のゼネラルマネージャーであり、バイスプレジデントであるSuresh Gopalakrishnan氏は「われわれのAMD Opteron A1100開発キットが広く利用可能になったことで、大規模データセンター向けのより効率的なインフラの構築に向けた道のりにおいて今日、大きな進展があった」と述べるとともに、「ファームウェアやOS、ツールのプロバイダーといったエコシステムの主要なパートナーに提供した上で、われわれはARMによるイノベーションがもたらすオープンなビジネスモデルに基づいてデータセンターを再定義するための、業界を横断した協力的な取り組みに踏み出そうとしている」と語っている。
同開発キットは、ソフトウェア開発者やハードウェア開発者のほかに、大規模データセンターにおけるアーリーアダプターも利用でき、AMDのウェブサイトから申し込むことができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。