長い道のり
もちろん、主要企業がGoogleのクラウドを受け入れるようになるまでの道のりは遠い。例えば企業は、Googleが従来から提供しようとしているサポートのレベルよりも(あるいは実際にGoogleが提供しているサポートのレベルよりも)ずっと多くを期待している。
HackerNewsに投稿された「StackOverflowでGoogleに助けを求めるべきだ。このサイトは今や、サポートを必要とする質問を無視するために用いられている、Googleの公式チャネルとなっている」というコメントが、そのことを如実に物語っている。
一方Microsoftは、GoogleやAWSといったクラウド分野の先行企業と自社との違いをここで鮮明に打ち出そうとしている。その違いとは、既存のデータセンターを尊重するなど、企業の昔ながらの期待にアピールするというものだ。最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏は「今やわれわれは、クラウドとサーバを結びつける能力を手にしている。これはわれわれの持つ極めてユニークな能力だ。では、どの競合他社と戦っているのだろうか?Amazonにはこのような領域で競合する力はない。彼らはサーバを有していない。Googleも同じだ」と述べている。
しかし、そのことはGoogle(とAWS)にとって問題にならない。両社はいずれも、クラウドの未来に向けて企業の背中を押そうとしており、データセンターに波風を立てられないという企業の面倒を見なくても済むだけの十分な規模を持った市場であると考えている。
データセンターからパブリッククラウドへの移行時に面倒を見てほしいという場合、Google(あるいはAWS)は向いていない。しかし、新しいインフラ上で新しいアプリケーションを実行させたいという、最近一般的になりつつあるニーズがある場合、Googleが使用しているソフトウェアと同じものが使えるというのはとても魅力ある話となるはずだ。
さらに、慣れ親しんだApache HBaseインターフェースが使えるとなると、すべてはとても興味深くなってくる。
Ward氏の言葉を借りると、「Google Cloud BigtableはGoogleクラスのスケーラビリティで動作する。しかも、Apache HBaseとやり取りする既存ツールのエコシステムを使用でき、プラグ&プレイするだけでよい」ということになる。これは差別化に向けた重要なレシピであり、Googleが長い間提供してこなかったものだが、今ではこれによってクラウド市場のトップに躍り出る可能性もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。