米ZDNet編集長Larryの独り言

次世代デジタルアプリプラットフォームの雄はグーグルとMS--Forrester調査

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2015年05月21日 06時00分

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 Forrester Researchによると、次世代のデジタルアプリケーションプラットフォームに求められるのは、さまざまな製品やシステムを接続すること、法人使用と消費者使用の橋渡しをすること、そして、システム・オブ・エンゲージメント(SoE)を通して商取引を結びつけることだという。

 その観点から見ると、将来、そうしたビジネス向けデジタルプラットフォームになるための条件を最も満たしているのはGoogleとMicrosoftだろう。Forresterは米国時間5月14日に発表した調査報告書でこのように主張した。

 Forresterの主張は、デジタルアプリケーションは4つの領域を結びつける必要がある、というものだ。その4つの領域とは、個人に力を与えてパーソナルな体験を作り出すこと、マーケットプレイスなどの商取引を利用して顧客エンゲージメントを促進すること、なじみ深いエンタープライズアプリケーションを提供すること、そして、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)と関連テクノロジに取り組むことだという。

 コネクテッド製品の分野には、本当の意味で他を圧倒しているテクノロジベンダーはない。「Google Glass」などの実験的なウェアラブルデバイスが登場しては消えていく。スマートウォッチが本当に期待どおりのものになるのかどうかも、これから明らかになるだろう。

 バックエンドでは、SAPやOracle、IBMといったベンダーがエンタープライズ分野で大きな力を持つが、消費者との接点はない。AmazonとAppleは、消費者と商取引の分野に対応している。Appleがエンタープライズ分野でもどんどん力を付けていることは注目に値する。

 しかし、Forresterの分析では、4つの主要なデジタル領域を網羅し得る最も広範なプレーヤーとして、GoogleとMicrosoftに注目している。Googleは「Android」で、Microsoftは「Windows 10」で、複数のデバイスに対応することができる。Googleはコネクテッドデバイスに投資しており、Microsoftも「Microsoft Band」と「HoloLens」でその方向に進もうとしている。エンタープライズ分野ではMicrosoftが強く、Googleはそこまでではないものの、「Google Apps for Work」などのツールを有する。Googleは検索広告事業を通して商取引を行っており、Microsoftはこの分野では挑戦者だ。

 GoogleとMicrosoftの各領域への対応状況を図で表すと、以下のようになる。

figure_1

 Forresterは、エクスペリエンス、インサイト(洞察)、アプリケーションサービスのすべてが統合されていくと主張する。GoogleとMicrosoftは、これらのツールをクラウドによって接続するだろう。Forresterは各社の最高レベルの幹部に対し、自社のデジタルアプリケーションプラットフォームを早急に定義するとともに、適切な戦略的ベンダーを見つけ出すよう推奨している。

 Microsoftがエンタープライズ分野で優位に立っていることは、筆者には極めて明白だと思える。デジタルアプリケーションプラットフォームに実際のコネクテッドデバイスハードウェアが本当に必要なのかは不明だからだ。たとえば、Microsoftの「Xbox」と「Minecraft」の接点が実際にエンタープライズ分野にどう役立つのかは、はっきりしていない。Googleの副次的なプロジェクトであるロボット工学は興味深いが、ビジネステクノロジという点からは逸れているように思える。「Nest」サーモスタットもビジネスにはあまり役に立たない。

 簡単に言えば、個人的な体験を社員や顧客に提供できる限り、消費者との接点はそれほど重要ではないのかもしれない。Forresterは、エクスペリエンス、インサイト(洞察)、アプリケーションプラットフォームという相互につながった3つのサービスが、消費者、企業、商取引、コネクテッドの領域にまたがって存在するとしているが、この主張に基づいて考えると、検討に値するベンダーはSalesforceだと思う。

 Salesforceはエンゲージメントのシステムを有しており、バックエンドサービスやセールスオートメーションという点からアナリティクスと商取引に参入してきた。その一方で、IoTも試みている。Salesforce独自のデバイスはないが、筆者には、未来のプラットフォームでハードウェアは必ずしも重要ではないと思える。どちらかと言えば、ハードウェアに依存しない方がいい。Microsoftは勝ち目が薄いWindows Phoneの「Lumia」を扱っているが、消費者向けデバイス市場でプライド以外にどのような見返りが得られるのかは不明だ。

 デジタルアプリケーションに関するForresterの言い分はよくわかるが、もっと多くのベンダーを対象に含めた方がいいかもしれない。現実的には、企業はデジタルアプリケーションを計画する際に複数のベンダーを考慮することになるだろう。お馴染みのエンタープライズベンダー各社が自社の製品スタックを丸ごと導入してほしいと勧めてきたとしても、それは変わらないはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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