「誰もがTwitterに大規模な買収を期待しているが、走り方を覚える前には歩く練習が必要だし、歩き方を覚える前にははいはいの練習が必要だ」と同氏は言う。「Twitterが比較的新しい株式公開企業であることを考えれば、同社が正しい方向に向かっていることは間違いない」
しかし、Twitterは今や、もっと手を広げて新たな製品を提供することを期待される規模になっている。Welsh氏によれば、同社がそれを実現する唯一の方法はM&Aだ。同氏は、Twitterがより規模の大きな企業になってきていることを考えると、今後はより積極的に買収を行うようになる可能性もあると述べている。
10.米Yahoo:迷走中
米Yahooはかつてインターネットを牛耳っていたこともあったが、この10年は低迷している。
Sakoda氏は「Yahooはいまだに自らを改革しようとしているところだ」と話す。
Yahooは、今後数回の買収で、再び競争力を取り戻したかどうかを判断される瀬戸際にある。AlibabaのIPO以来、同社のバランスシートは悪化しており、自己改革が必要となっているが、そのためにはまず方向性を定める必要がある。
Welsh氏によれば、Yahooはその方向性を見定めることができずにいるという。一般消費者向けのインターネット企業なのか、それともバックエンドのインフラとサービスを提供する企業になるのかという方針がはっきりしていない。同社は最近、広告技術の企業であるBrightrollを買収しており、これはバックエンド企業を指向するものだが、この方向性はまだ定まっていない。Yahooは今、買収の失敗への恐怖とチャンスを逃すことへの恐怖の板挟みになっている。
「Yahooは、必ずしも同社に適しているわけではない買収をいくつか行っている。しかしYahooも、注意深く進めなければ、競争力がないというレッテルを貼られる危険があることは認識している」とWelsh氏は言う。
ブログサイトTumblrを11億ドルで買収したことが、この迷走をよく表している。Tumblrは一定期間人気を博したが、Yahooの買収は遅すぎたため、その人気を生かすことはできなかった。
Yahooが行った最近の買収は、トラフィックと売り上げの増加を狙ったものが多い。
「(Yahooの最高経営責任者(CEO)である)Marissa Mayer氏は、買収費用の80%以上を、トラフィックと売上高の増加に直接的に貢献する企業に当てている。売上高の減少傾向に対する投資家の圧力を考えると、費用がかかる長期的な賭けや不確実な賭けよりも、短期的な効果が出る買収が好まれる」とDufour氏は述べている。

YahooのCEO、Marissa Mayer氏
提供:Daniel Terdiman/CNET
2014年末の業績報告で、Mayer氏は自らのM&A戦略を、モバイル事業の2億ドルの売り上げを支えたと擁護した。これは当時の総売上高の17%に相当する額だ。Mayer氏は、近年の買収を通じて獲得した人材が、同社のモバイル事業の成果に貢献していると主張した。
このことからDufour氏は、Yahooはトラフィックと成長速度を併せ持つ中規模のコンテンツ企業を買収対象として選ぶ可能性が高いと述べている。同氏はまた、Yahooは今後もモバイルツール、モバイル分析、広告分野のスタートアップ企業の買収に力を入れると予想している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。