IDC Japanは9月14日、国内モバイルデバイス市場(スマートフォン市場、タブレット市場(eReaderを除く)、PC市場、通信データカードなどのData Communicationを含む)の2015年第2四半期(4~6月)の出荷台数実績と2015年~2019年の予測を発表した。2015年第2四半期の国内モバイルデバイス出荷台数は前年同期比5.8%減の1065万台となった。
国内モバイルデバイス市場 出荷台数予測、2013年~2019年(IDC提供)
形態別に見ると、スマートフォン市場は新製品の投入やフィーチャーフォン形状でAndroidを搭載した製品の出荷増によって、前年同期比23.6%増のプラス成長となった。
一方、タブレットは家庭市場での買替えサイクルの長期化や大画面スマートフォンの影響から前年同期比13.4%減となり、PCは2014年のWindows XPサポート終了に伴う特需の反動の継続および円安の影響によるITサプライヤー(ベンダー)提示価格と市場希望価格とのギャップの拡大によって、同36.0%減の大幅なマイナス成長となった。このPCの出荷台数の減少が国内モバイルデバイス市場全体に影響を与え、マイナス成長につながった。
2015年通年の国内モバイルデバイス市場は、前年比4.1%減の5000万台と予測している。
PC市場はビジネス市場を中心に2014年のWindows XPサポート終了に伴う特需の反動が2016年まで続くことが予測されるほか、家庭市場ではPCの購買を促進する要素は少なく、Windows 10対応製品の発売は年末商戦で一時的に出荷を底上げすることが予測されるものの、それに伴う買い控えやITサプライヤーの生産/出荷調整が年内は続くことにより、2015年通年でマイナス成長が続くと考えられる。
これらによってPC市場は2015年も2桁のマイナス成長になると予測される。
また、タブレット市場はビジネス市場での導入が進むと予測されるものの、家庭市場ではWindows 10を搭載したタブレットの影響は限定的にとどまり、タブレットの需要が一巡したことや大型スマートフォンとの競合によって、市場全体としては前年比マイナス成長になると予測している。
これに対しスマートフォン市場は、フィーチャーフォン供給の環境変化からスマートフォンへの切り替えが進むことでプラス成長が予測される。総合すると、市場の過半数を占めるスマートフォン市場の底支えによって、2015年の国内モバイルデバイス市場の家庭市場向け出荷は前年比0.2%増の3879万台、ビジネス市場向け出荷は16.5%減の1121万台、国内モバイルデバイス市場全体では4.1%減の5000万台と予測した。
同社PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、以下のようにコメントしている。
「国内モバイルデバイス ビジネス市場の中心はPCである。ビジネス市場のPCのWindows XPマイグレーションの影響は、2016年まで続くと予測される。しかし、2017年以降企業のPC買替えサイクルは通常に戻り、2020年のWindows 7のサポート終了に向けて出荷が増加し、これによってモバイルデバイス市場も拡大していくと予測される」