Googleは、利用し始めたばかりのユーザーのために、ホスト型予想モデルのライブラリを提供している。このライブラリには、言語を特定したり、ソーシャルメディアでよく使われる表現を理解するためのツールも含まれている。これらはあらかじめトレーニング済みのモデルだが、これらを利用してPrediction APIを使ったアプリを書き始めることができる。REST APIを使用しているため、アプリケーションがGoogleのサーバで実行されているか、自前のデータセンターで実行されているかに関わらず、Prediction APIを利用するのは難しくない。
Microsoft
Microsoftの「Azure Machine Learning」(Azure ML)プラットフォームはMicrosoft Researchの機械学習を専門とする研究者が開発したフレームワーク上に構築されており、優れた点も多い。Azure MLのツールもアプリケーション開発にデータ指向のアプローチを取っており、ユーザーのニーズに合わせた学習ツールを提供するため、データからパターンを抽出する際、さまざまなアルゴリズムを組み合わせて使用きるように設計されている。モジュール型のアーキテクチャを使用しているため、Microsoftが将来MLツールを追加するのも簡単であり、これがユーザーが使用しているコードに影響を与えることもあり得る。
サービスの中核となるのは、機械学習システムの設計を支援する「Machine Learning Studio」(ML Studio)だ。ML Studioでは、前処理用のツールや、学習用データセットやライブデータを用意するためのツール、データの探索およびモデルの構築ツール、Azureのクラウドに展開する前のモデルの最終テストのためのツールなどが利用できる。また、ML Studioは、コードの中からモデルを呼び出すために必要なAPIも提供している。ML Studioはブラウザ内でドラッグアンドドロップで使える視覚的プログラミング環境であり、Azure MLに用意されているMLアルゴリズムに加え、自前で作成したコードモジュールを追加することも可能だ。Azure MLの前処理ツールでは、欠損値をデータに追加する機能や、Rなどのプログラミング言語を使った数学的な前処理も利用できる。
Azure MLの実験オプションを利用すれば、適切な結果が得られるように、トレーニングデータのサブセットに適用するモデルの候補を複数作って異なるアルゴリズムを試してみることもできる。問題のタイプによって異なるアルゴリズムを選択可能で、分類、回帰分析、クラスタリングなどの問題がサポートされている。モデルを作ってテストしたら、チューニングを行って誤判定や見逃しの数をコントロールすることもできる。
最終的なAzure MLのコードは、標準のAPIを使って、アプリケーションからアクセスできる。「Azure Event Hubs」を使えば、アプリケーションでストリームデータを扱ったり、他のアプリケーションからのデータセットを扱ったり、実行しながら需要に応じて規模を変更したりすることも可能だ。作成したモデルをAzure Marketplaceで販売し、副収益を得るといったこともできる。