リモート接続による使い勝手の向上
VDIによって安全に会社のデスクトップへリモート接続できる環境は、ユーザーの生産性向上につながる。例えば外出先や自宅からでも仕事をすることが可能だ。この特徴を生かしてインフルエンザなどパンデミック対策としての事業継続にも利用できる。事実、われわれは台風の接近に伴い約1400人の社員が在宅勤務によって業務を継続したこともある。
さらに最近のVDIでは、接続元の端末に合わせて画面を変更して使いやすくしてくれる。例えば、ノートPCとタブレット・スマートフォンでは見える画面が異なるといった具合だ。このようにユーザーが移動中であってもタブレットを利用してデスクトップ環境に接続し、メールや資料を閲覧できる。
セキュリティの向上
VDIはセキュリティ向上にも効果がある。物理PCの場合、アタッカーの攻撃が直接届き、PCに入っている機密情報がC&Cサーバに抜き出されたり、ウィルスに感染して他のPCを攻撃し始める可能性もある。また、USBメモリを媒介としてウィルスが混入する例もある。さらに、ノートPCのように業務データを入れて社外に持ち出す場合、紛失や盗難によって情報が漏えいしてしまうリスクも高い。
これに対してVDIでは、実際のデータは安全なデータセンターの中にあり、画面情報のみが手元の端末に転送されるため、ユーザーが利用している端末に実際のデータは何も入らない。そのため、攻撃者が端末にアクセスしてきても情報を取られる心配もなく、仮にノートPCが紛失や盗難にあっても情報が漏れることもない。

当社でもVDIを導入したことで、課題となっていた業務用PCの紛失に際して発生していた被害特定のデータ分析コストや顧客説明にかかるコストがなくなり、大きなコスト削減につながっている。