海外コメンタリー

コンシューマーITと企業ITはこうして融合する--2016年の10大トレンド - (page 2)

Scott Matteson (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-01-22 06:15

#3:Internet of Me(IoM)がブレイクする

 Internet of Me(IoM)は、Internet of Things(IoT)と似たようなものだと勘違いする人がいるかもしれない。しかし、こちらはウェブ上でのパーソナライズされたエクスペリエンス(コミュニケーションや接続性、健康、ショッピング、エンターテインメントなど)を表す言葉だ。IoMのプラットフォームにはスマートフォンやウェアラブルデバイス、そしてもちろんIoTデバイスといったさまざまなデバイスが関与してくる。これはわれわれが日々どのようにしてインターネットでやり取りするかという話なのだ。

 賢明な企業は、ターゲットオーディエンスに向けてカスタマイズされた、あるいは微調整されたエクスペリエンスを提供することで、収益に結びつける道を見出すはずだ。これにはコンシューマー向けと企業向け双方のアプリケーションと利用モデルを見つけ出すことになる。筆者は、単なる広告について述べているわけではないが、ターゲットオーディエンスの興味をかき立てるウェブサイト広告でこういった考え方を見かけるのも事実だ(例えば、キャンプ好きの筆者は、手芸用品店Jo-Ann Fabric & Craft Storesの広告よりも、アウトドア用品店Eastern Mountain Sportsの広告に反応する)。IoMというトレンドは詰まるところ、人々が欲しいと思うもの、さらに言えば人々が必要としているものを届けるということだ。これが次の項目で挙げるトレンドが出てくる理由にもなっている。

#4:ニーズの洗い出しが重視されるようになる

 これは3番と大きく関連している。企業によっては万人向けのビジネスモデルでも問題はない。例えば、食料品やインターネットアクセスに関する製品やサービスの多くは、不特定多数にアピールする。しかし、ほとんどの製品やサービスには固有の顧客層というものがある。例えばエンターテインメント分野を考えてほしい。筆者は「アベンジャーズ」や「アントマン」といったマーベル・コミック原作の映画を愛しているが、68才になる叔母は違ったジャンルの映画を好んでいる。

 「ニーズの洗い出し」とは、テクノロジを通じて、どういった製品やサービスがどの顧客層にマッチするのかを見極めるための方法を意味している。ニーズに基づいた明確な顧客層の定義がないという、まずい戦略に従った今時の製品プロモーションとは異なり、コンシューマーのニーズを洗い出し、ソリューションを提供することに長けた企業は繁栄するはずだ。なお、製品やサービスの購入を簡単に行えるようにもしておく必要があるのはもちろんだ。

#5:コネクテッドホーム用のデバイスが次々と登場する

 スマートホーム時代の幕が開け、家の照明や各種の機器、室温、セキュリティ設定を制御できるようになるだろう。これは企業のセキュリティにも応用できるはずだ。

 今回のCESでは、Ford Motorがスマートホームテクノロジを開発中だと発表した。これにより自動車の中から自宅の照明や戸締まり、室温をコントロールできるようになるという。このため、ITマネージャーが真冬の深夜にオフィスに急行しなければならない場合でも、車内から空調設備を動作させておくことで、少なくとも寒さに凍えながら問題を解決するという事態を避けられるはずだ。

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