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コストダウンが身上のSAPが仕掛ける売り上げアップ技術 - (page 2)

末岡洋子

2016-03-23 07:00

--BtoCはどうでしょうか? 日本ではオムニチャネルが話題です。

 モバイルPOSなどにより、ロイヤリティーカードがなくても顧客の特定が可能です。Hybrisならこれをオンラインとひもづけられます。ドイツのある小売企業では、店舗にスタッフがほとんどおらず、(セルフレジで)購入時に利用するクレジットカードで顧客を特定しています。このように、ポイントカードレスが流行です。このトレンドは北米で始まり、欧州でも見られます。

 カードは顧客の維持に必要でしたが、顧客にしてみれば忘れるとポイントがつかないので、次に持ってきた時にと購入を遅らせることがあります。その間に同じような製品が競合他社が安く売っていたら、そちらを買ってしまう可能性がある――つまり、実際は顧客の維持につながっていないこともあります。クレジットカードやモバイル端末、あるいは会員IDを持っていれば顧客を特定できるロイヤリティーカードレス、という流れがあります。

 日本でも、顧客である株式会社三陽商会は、Hybrisを利用して、アプリやウェブで買いたい商品を選択し、指定した店舗で受け取れます。店舗で購入後、アプリにアクセスすると「購入ありがとうございました」というメッセージを表示します。

 BtoCでは、業界の注目はAmazon.comとヨドバシ・ドット・コムでしょう。ともに品ぞろの多さと配送が特徴ですが、特に配送が注目されています。配送会社を利用すると配送会社の都合に合わせることになり、コストもかさみます。当日配送、6時間配送などを実現するためには、自分たちのルートで、自分たちの便が必要です。

 配送を自社でやるというトレンドがありますが、現在の倉庫や物流センターの配置でできるのかというと難しい。オンラインとオフラインの在庫を分けているところはどうするか、など在庫のあり方の見直しを迫られています。配送をコントロールできない会社は生き残りが難しくなるかもしれません。

--それに対するSAPの提案は?

 フロントエンドとバックエンドで整備していくことです。フロントエンドではSAP Hybris、バックエンドはSAPのERPやSCMなどで、これらがちゃんと連携することで効果が得られます。フロントだけでは不十分です。

--SAPがHybrisを買収した狙いとなるのですか?

 買収にはすごく意味があったと思っています。

 SAPはさまざまな製品を持っていますが、Hybris以外はコストダウンのための技術です。ERPはもちろん、共同購買のAribaもコストを下げるためのもので、人事のSuccessFactorsについても人事評価を一定化してコストダウンを図るものです。HybrisがほかのSAP製品と決定的に異なるのは、売り上げ向上のための技術という点です。

 2014年に買収した理由もここにあります。当時SAPも似たような製品を出していましたが、順調に市場に受け入れられていたわけではない――コストダウンを得意とするSAPが売り上げアップの領域に踏み込むのは、DNAが違いすぎたということでしょう。そこでHybrisを買収し、現在もHybrisを大事にしています。

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