OpenStack専業ベンダー Mirantisの謎を解き明かす(後編) - (page 2)

松下康之

2016-05-11 07:00

 次にインタビューしたのは、Bala Pitchaikani氏だ。Chief Strategy Officer, Telco Cloudというタイトルで主にキャリア向けのビジネスを指揮している。過去にNetAppやNortel、Force10などで製品担当だったベテランで現在Mirantisではテレコム製品向けの戦略立案とマーケティングを担当しているという。

 ここで強調されたのは、オープンソースであることが即ベンダーロックインを避けられるかというとそうではなく、Mirantisとしてエンタープライズ向けのSDN、テレコムキャリア向けのFNVのどちらであっても顧客に選択の自由を与えたいという発想だった。


Bala Pitchaikani氏(Chief Technology Officer, Teleco Cloud)

 次に話を聞いたDavin Parrish氏はMirantisのビジネスの3本の柱の1つ、トレーニングを担当し、職位はシニアテクニカルトレーナーである。

 Parrish氏はMirantisにおいてOpenStackの概要のコース2つと管理者向けのコースの開発から関わっており、実際に世界中を飛び回ってトレーニングを実施している。先日は名古屋でのトレーニングを実施したそうである。トレーニングビジネスについてチャレンジとなるのは、やはり(労働集約的であるため)スケーラブルでないことだという。

 つまりトレーニングを受講したい人の数は増えてもそれをこなせる社員が少なく、パートナーとしてトレーニングを実施してくれる外部の企業もまだまだ少ない。それを増やすことも非常の時間がかかってしまうという。ここでも顧客に真面目に接しようとするMirantisのやり方が、やや裏目に出てしまっているところだろう。まだ若いParrish氏に会社の文化や社風について聞いたところ、一番最初に気がつくのは「社員がお互いを信頼していること」なのだという。

 またフラットな組織でいつでも誰にでも話ができる“オープンドアポリシー”が徹底されており、定期的に世界中の全社員が参加する全体会議が実施され、そこでも自由に意見を言える雰囲気は活かされているという。ベテランが多いようにみえるMirantisだがしっかりと若手頑張っていることが理解できた。

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