3月30日に発表した新潟県の新データセンター建設にあたり新潟県知事の泉田裕彦氏(右)と会談
また、そもそも2007年に発足した「北海道GEDC研究会」から現在の寒冷地GEDC推進フォーラムに継承されたDC冷房技術によって、首都圏と寒冷地で差が発生することが明らかになりました。この技術は、電気通信大学と東京理科大学の共同研究によって論文発表され、2009年に総務省予算によって実証実験されて技術が明確化されました。
よって、2011年以降の寒冷地DCは圧倒的に高い効率の空調設備が装備されており、さらにその後建設されたDCはブラッシュアップがされています。昨今では2011年の震災以降大幅に電力料金が値上げされて、寄与率はさらに大きくなりました。これらが現在2016年までの数年の間に、やっと利用者(顧客やシステムインテグレーターSaaSベンダー)に周知されてきたのでしょう。
今後は、ブロードバンドネットワークの配備がさらに進み、ご質問にあった地方のDCと首都圏は広帯域な専用線(100Gbps程度)で接続されることでしょう。来年には、新潟にも寒冷地GEDC技術とさらにアドバンストな技術が搭載された最新鋭のDC(データドック社)が建設されこともあり、DCの地方分散化、特に寒冷地への展開は今後も増加すると想定しています。
- 津田 邦和
- NCRI株式会社 会長
- 工学博士/NCRI会長/ネットコンピューティングアライアンス(NCA)代表/寒冷地グリーンエナジーデータセンター(GEDC)推進フォーラム会長/DEECOP研究会会長。札幌市出身、札幌東高校卒、電気通信大学大学院博士課程修了。1980年代より動的HTMLによるアプリケーションの遠隔サービス化の研究、光センサータッチパネル特許・TV会議システム特許などを取得、インビジブルコンピューティング(のちのユビキタス)の研究に従事し、1996年に米国での動向に呼応して国内でのASPの提唱と推進団体を設立。その後、20年にわたり財務省・総務省などの委員会委員、民間企業の取締役・顧問などを務め、ガイドラインや実験プロジェクトを実施。東京理科大学などで非常勤講師。現在は、クラウドを活用したビジネスを支援。高収益型データセンターの設計とコンサルティング、新規事業立上げノウハウを踏襲したクラウド教育カリキュラムを提供し、民間企業・自治体等のクラウド事業推進をサポートしている。