第3に、首都圏直下型地震のリスクです。現在では以前の予測よりもさらに高い確率が発表されており、40%を超えます。さらには東北での震災経験から、道路が遮断されタンクローリが来ないことが想定されます。
とすると、DCの建物の耐久性があっても、非常用発電機のオイル備蓄容量が一般的に2日分程度であることから、停電が2日を超えるとDCは停止します。
第4に、少し細かいことになりますが、床荷重と電力容量と空調容量が小さいことがさらに差別化に影響します。もし首都圏の老朽化したDCが1ラックあたり2キロワットのサーバを想定していたDCに、もし1ラック10キロワットの高集積サーバを搭載しようとすると、首都圏の古いDCでは、床荷重や電力容量の問題から、おそらく3分割して搭載せざるを得ません。
しかし、新しいDCでは、1ラックで10キロワットが搭載可能で、かつそれらが何百ラックあっても問題なく対応が可能となりつつあります。よって、ラック賃貸料金は3倍になってしまいます。
これらを総合して、私自身が関わった寒冷地DCのプロジェクト経験から、トータルで2倍以上のコスト差になったことを記憶しています。経営的には、経常利益ベースでさらに大きな差になることでしょう。
これらの4つが質問への回答です。寒冷地DCは強い競争力があり、それに対して首都圏のDCが一部でなかなか顧客が入らない状況が発生している原因なのです。