これまでSalesforce.comのリセラー&システムインテグレーターとしてクラウドファーストな時代の先陣を走っていたウフルは近年、パブリッククラウド、マーケティングクラウドそしてInternet of Things(IoT)の3つを柱に事業領域を広げようとしている。同社の最高経営責任者(CEO)である園田崇氏にインタビューした。
――IoT領域でどのような活動をしているのか。
1社ではなかなか実現できない”協創”によるイノベーションを生みだすための組織「IoTイノベーションセンター」を作ってビジネスを始めています。シスコから移ってきた八子知礼がその責任者なのですが、実際にはこれまでのSalesforceのクラウドビジネスやマーケティング関連のビジネスの人員も一緒になってビジネスを推進しています。
ウフル CEO 園田崇氏
センターでは4人が専任し、実質的には7~8人程度が関わっています。組織としては必要に応じてリソースの配分を変えることができるようになっており、顧客の案件によって人員を増減しています。IoTを本気でやろうという企業は、一事業部の決裁ではなくて最後の判断に経営層レベルが動く必要があります。経営層ときちんと話ができるように、IoT専任のコンサルティング部隊を作ったということです。
また、IoTイノベーションセンターでは5月末から、参加する企業・団体などがベンダーフリーでIoTのビジネス創出に取り組む「IoTパートナーコミュニティ」の事務局も担当しています。こちらは現在24社が加盟中で、実ビジネスを生み出すための取り組んでいます。情報収集のみの企業は参加できないため、参加者の話が具体的で、現在ワーキンググループごとにテストベッドの構築を進めている状況です。
――現在どんなIoT案件が動いているのか。
例えば三井物産は自動車やエネルギー、農業など多様な事業を展開していますが、IoTでどんなビジネスが可能かはわれわれがコンサルティングを引き受けています。われわれのIoT基盤「enebular」を、データ分析に活用いただいています。IoT向けに通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)であるソラコムなどと連携しながら、複数のプロジェクトが進んでいます。