IBMとの提携を強化――SDDCプラットフォームをIBM Clouds上で提供
Cross-Cloud Architectureは、「VMware Cloud Foundation」と「Cross Cloud Services」の2つのコンポーネントで構成する。
VMware Cloud Foundationは、コンピュート、ストレージ、ネットワークとSDDCの要素をそろえたプラットフォームで、インストール、更新、ライフサイクル管理を自動化する。「顧客は容易にSDDCクラウドの管理と運用ができる。プライベートクラウドを簡単にする」とGelsinger氏は説明する。
Cross-Cloud Architectureを構成する「VMware Cloud Foundation」
オンプレミスとしてライセンスを販売するのに加えて、vCANパートナーによるクラウドサービスとしても提供する。その第1号として、IBMとの提携を拡大し、IBM Clouds上で提供することを発表した。
VMwareとIBMが最初に手を組んだのは2月、SDDCの強化が目的だった。この提携の下、IBM CloudsがvCANのエコシステムにおけるショーケースプラットフォームになった。その後、6月にはエンドユーザーコンピューティングなどにも拡大している。以来、500以上の顧客がIBM Cloud上でVMwareの技術を動かしているという。
会場に駆けつけたIBMのクラウド担当シニアバイスプレジデント、Robert LeBranc氏は、IBMとVMwareの提携のメリットについて、「高品質、低コスト、短期間、高いセキュリティ、それにグローバルスケール」とする。
この日は共同顧客として、ホテル業のMarriott Internationalの技術担当シニアバイスプレジデント、Alan Rosa氏がステージに立ち、「一度開発するとプライベートクラウドでもパブリッククラウドでも実装でき、市場提供までの時間を短縮できた。変化に柔軟に対応できる」とVMware Cloud FoundationとIBM Cloudsを使った感想を述べた。世界各国に展開する同社にとっては、グローバルで利用できる点も大きな魅力だという。
Marriottの課題は、顧客層の変化。ミレニアルが顧客の多くを占めるようになり、技術への要件が高くなっているとRosa氏。”Marriott Reimagine”としてデジタルプラットフォームを再構築しており、モバイルアプリで年齢に応じた価格付けなどの新機能導入も進めていると明かす。ここでIBMとVMwareの提携が大いに役立っているという。
なお、VMware Cloud Foundationは第3四半期移行、他のvCANパートナーにも拡大していく予定だ。
左からGelsinger氏、IBMのLeBranc氏、MarriottのRosa氏