3年後自分の業界がどうなっているかわからない
だが新しい時代への準備ができているかとなると、企業の多くが不安を感じているという。同社の調査によると、「デジタルに対する恐怖」が明らかになった。「45%が3~5年後に自社は廃れた古い企業になっているかもしれないと恐れており、48%は自社のいる業界が今後3年でどうなっているのかわからないと回答した。
78%の企業が、デジタルスタートアップを脅威に感じていると回答している」とDell氏。将来は猛スピードで迫っていることはわかっているが、自社がとるべき道がわからないということのようだ。Dell Technlogiesはそのような企業を支援できる、とDell氏は会場に呼びかける。「Dell Technologiesは、Dell、Dell EMC、Pivotal、RSA、SecureWorks、Virtustream、VMwareで構成されるファミリーだ」という。
このような体制により、グローバルでのスケールを保ちつつスタートアップのように敏捷に動くことができる、と暗にライバルHewlett Packard EnterpriseがDell Technologiesを指して”企業が大きくなると敏捷さがなくなる”という批判を退けた。
Dell氏はここで、Dell Technologiesの製品カテゴリでの市場でのポジションに触れた。「サーバ、ストレージ、仮想化、セキュリティ、クラウドソフトウェアとインフラ、ソフトウェア定義データセンター、コンバージド/ハイパーコンバージドインフラ、PaaSで1位だ」とDell氏、さらには調査会社GartnerのMagic Quadrantsで20カテゴリで同社製品がリーダーと位置付けられており、出願中のものを入れると特許数は2万件を上回る。「われわれは年間45億ドルを研究開発に注いでいる。これは競合の2倍の規模だ」とDell氏は胸を張った。
SaaS上位20社の100%、IaaS上位20社の90社、Fortune 500企業の98%が同社の顧客だという。
Dell Technologiesはサーバ、ストレージなどさまざまな分野で1位という
顧客としては、General Electric(GE)、Ford、AT&Tなど米国を代表する大企業がビデオで寄せたメッセージを紹介した。たとえばGEのCEO、Jeff Immelt氏は2013年よりPivotalに投資しており、現在同社の産業クラウド「Predix」の土台技術に利用していると述べた。
1社ですべてそろうという幅広いラインアップを持つと同時に、エコシステムとオープン標準にコミットすることで選択肢を提供できる点も強調した。
例えば、仮想化ではVMwareだけでなく、Microsoft、KVMなども利用できる。クラウドでも Amazon Web Services(AWS)、Windows Azure、Google、オンプレミスにあるクラウドとあらゆるクラウドをサポートする。さらには6万人体制のサポートをグローバルで抱えるなどサポートも整えている。「製品ロードマップ、保証、サービス合意――不安を感じることなく購入していただける」とDell氏。
Dell氏はこれらの差別化ポイントをあげたのち、最後に非公開企業である点をあげた。「デメリットはなにもない。10年単位で考えることができ、長期的な成功にフォーカスできる」とDell氏はメリットを語った。