DellとEMCが合体したDell Technologiesが10月18日から3日間、米テキサス州オースティンで「Dell EMC World 2016」を開催した。EMC買収発表から1年、最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏は「来る産業革命時代に必要な技術を提供する信頼できるプロバイダー」と新会社の目指す姿を語った。
デジタル時代の幕開け
「Dell World」が最初に開催されたのが2011年、6回目ではあるが、「Dell EMC World」としては初、そしてオースティンで開催されるのも(現時点で)最後となる。次回はEMCの年次イベント「EMC World」に吸収される形で、春にラスベガスで開かれることが決まっている。
Dell Technologies CEOのMichael Dell氏
19日の基調講演でDell氏はまず、産業界全体に起こりつつある新しい産業革命について触れた。ポイントは、デバイスの数の増加、パフォーマンスの増加だ。デバイスの数は現在80億台、接続や処理のためのコンポーネントのコストが下がっており、15年後にはデバイスの数は2000億台を上回ると予想する。人間の20倍以上の数となる。
これら大量のデバイスが生成するデータを分析などに活用することで、効率化が図れ、世の中を改善できる。パフォーマンス側では、「処理能力、帯域、ストレージキャパシティなどすべてが5年で10倍改善している」とDell氏、単純に計算すると15年で1000倍することになる。
これにより、自動運転カーが走るスマートシティがうまれ、ヘルスケアではガンなどの治療が改善され、ドローンが注文後すぐに商品を届けてくれるなど物の流れも大きくかわるとDell氏。
「インターネット・オブ・エブリシング――次の産業革命だ」と述べたのち、VR/ARにより学習、仕事、遊びが再定義され、機械学習などのAIの適用により新しいチャンスが生まれると続けた。「新しい時代が始まる。デジタルの夜明けだ」と述べた。なお、同社ではマーケティングに当たって「Dell Technologies」は夜明け、PCなどクライアントソリューションの「Dell」は昼、エンタープライズシステムの「Dell EMC」は夜という位置付けをしているそうだ。