――システムインテグレーターのサービスの崩壊とか言われるようになってから3~4年ぐらい経ちますが、これはいつぐらいに激変すると思いますか。
後藤氏:2020年じゃないですかね。その頃にはエンドも調子が悪くなるところが出てくると思うので、必然的にSIも駄目になる。僕は名前も分けたいぐらいなので、あまりそこに興味はないんですけど、そういう気はします。

アイレット(クラウドパック) 執行役員 エバンジェリスト 後藤和貴氏
小野氏:あと、システム交換のタイミングってあるじゃないですか。それは5年後ぐらいだと思うんです。「こうなるよね」という兆候が見え始めてから5年後ぐらいに、本当にそうなるんじゃないか。使っているものをわざわざ捨てる必要はありませんが、5年後に見直しに入った時には変わってくるところが多いんじゃないですかね。逆に、その時までにSIer自身が変わっていれば大丈夫ですよ。先ほど2020年とおっしゃいましたけど、1年もあれば十分に変われる。
安田:おっしゃる通り、今は景気がよくて売り上げがいいから変えないところもあるでしょうね。数字だけを見て「今、調子いいじゃん」って言っている。
小野氏:SIの感覚ってそうなんですよね。人月がいっぱい出て売り上げがあがると、そこが麻痺してしまう。本当はそこで戦略を考えなきゃいけないんだけど、目の前の嬉しい悲鳴が本来やるべきことを隠してしまう。
後藤氏:2020年の前、2019年ぐらいですかね。顧客がクラウドのインフラだけ僕らに渡したい場合って、実は上のアプリとかの部分があって、下までやってたSIerさんがいる。下はAWSに持っていきたいから「ここと一緒にやってね。よろしく」という話になったり、あるいは「変えちゃうよ」と言われて慌て始めたり。そういうパターンを何回も目の当たりにしてきました。
安田氏:実際にそこの会社から電話が来るとか。「一緒にやりたいんです。御社は何を提供してくれるんですか?」と聞かれて、「うちは契約をやります」みたいな(笑)。
小野氏:SIが全部駄目なわけじゃないし、硬直的なやり方をしているところがそのままでいられるかというとそうではない。今は世の中も変わってきているし、クラウドも出てきている。やり方を変えるとか経営方針を変えるとか、そういうことをちゃんとやっていけばSIはこれからも大丈夫です。
<了>