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より賢く活用するためのOSS最新動向

AI、Cloud Foundry、マイクロソフト--2016年OSS総括 - (page 2)

吉田行男

2016-12-28 12:00

OpenStack

 IDC Japanが11月7日に国内クラウドインフラストラクチャ市場規模予測を発表しました。それによると、2015~2020年の年間平均成長率は31.6%で2020年には862億円に達すると予測を発表しました。

 その予測の中に、パブリッククラウド、プライベートクラウドの双方において、オープンソースのクラウドインフラストラクチャソフトウェア「OpenStack」を採用したクラウド基盤の構築が2017年ごろから本格化し、OpenStackディストリビューションや機能拡張を図るためのソフトウェアの売上も市場成長に寄与するという記述があります。

 今年は4月に「Mitaka」、10月に「Newton」がリリースされ、順調にバージョンアップが続いています。それだけではなく、「OpenStack Summit」ではユーザー事例も多く発表されました。10月に開催された「OpenStack Summit Barcelona」では、従来のネット系の企業だけではなく、一般の企業での導入事例も出てきました。日本で開催された「OpenStack Days Tokyo」でも、JFEスチールやNTTドコモなどの事例が公表されています。いよいよ来年は、企業での利用が本格化するのかもしれません。

 一方、コミュニティ関連では、今年NECアメリカの大道憲一さんと富士通の加藤智之さんの2人が「PTL(Project Team Leader)」に選ばれたほか、NTTソフトウェアイノベーションセンタの市原裕史氏が「Neutron」のコアデベロッパーに就任しました。このようにコミュニティ活動の中でも日本人が多く活躍するようになってきました。

 また、OpenStackを提供するディストリビュータにも少し動きがありました。7月に米Mirantisが、エーピーコミュニケーションズ(APC)とのジョイントベンチャーとして、日本法人ミランティス・ジャパンを設立しました。これにより、日本市場での本格的な活動が始まりました。その後、10月にミランティス・ジャパンは、NTTコミュニケーションズとOpenStack環境のマネージドプライベートクラウドをサービスとして提供する「Managed Private OpenStack as a service」などのグローバル展開に向けて協業すると発表しました。着実に日本市場での足場を固めつつあります。

 一方、2012年からすでにOpenStackを導入していたヤフーは、11月に米Solinea社と共同で、ヤフーの米国法人YJ Americaの米データセンターにおけるOpenStack基盤に、オープンソースのDockerクラスタ管理ツール「kubernetes」を導入したと発表しました。このように以前から導入していた企業もその適用を拡大させる施策を採るなど、いよいよ利用が本格化してきました。


Cloud Foundry

 一方、同じようなクラウド領域でPaaS基盤を構築するツールである「Cloud Foundry」は、あまり目立ってきていませんでしたが、2015年の暮れ、ドイツのSAPが「SAP HANA SPS11」のアプリケーション環境を「Cloud Foundry」で再構築したと発表しました。従来からCloud Foundryの採用を公表していたIBM、NTTコミュニケーションズ、富士通、General Electric(GE)、Swisscom、HuaweiなどにSAPが加わり、利用の広がりを感じました。

 5月には、その開発元である米Pivotalに米FordとMicrosoftが出資することが明らかになりました。もともとPivotalは、米EMCからスピンアウトし、EMCと米VMwareの合弁会社として発足、2013年4月にGEが1億500万ドル(当時の比率で10%)を出資すると発表し、これを受けて本格的な事業展開を開始した会社です。

 Fordは、同社のEcoBoostエンジン、車載情報システムなどの開発で、Pivotalの開発メソドロジやClound Foundryを活用しているようです。また、Microsoftの出資の目的は、「Microsoft Azure」を、Pivotal Cloud Foundryを使ってJavaアプリケーションを動かすための最良のプラットフォームにすることにあるようです。また、10月にはGoogleが、「Google Cloud」でCloud Foundryをサポートすることを明らかにしました。

 11月30日に突然、米HPEがOpenStackとCloud Foundry関連の人材を含む資産を独SUSEに売却するというニュースに続いて、SUSEがCloud Foundry Foundationのプラチナメンバーになるというニュースが流れました。これまで、PaaS基盤を製品ポートフォリオに持っていなかったSUSEとしては、大きな意味のある買収となりました。今後、この領域で米RedHatとの戦いに注目する必要があります。


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