松岡功の一言もの申す

業績予想を大幅に下方修正したNECは復活するか

松岡功 2017年02月02日 12時10分

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 NECが2016年度(2017年3月期)の業績予想を大幅に下方修正した。全体的に振るわず、ズルズルと後退している印象が拭えない。果たして、復活することができるか。

業績予想の大幅な下方修正について社長が説明

 NECが1月30日に開いた2016年度第3四半期(2016年10~12月)決算の発表会見で、2016年度通期の連結業績予想を大幅に下方修正したことを明らかにした。修正した予想は、売上高が2兆6800億円、営業利益が300億円。2016年10月時点の予想と比べて、売上高が2000億円、営業利益が300億円減少した格好となった。

 会見には、新野隆 代表取締役執行役員社長兼最高経営責任者(CEO)が川島勇 取締役執行役員常務兼最高財務責任者(CFO)とともに登壇。大幅な下方修正の理由や内容の説明、およびそれに対する質疑応答の大半について新野氏が対応した。

記者会見
記者会見に臨むNECの新野隆 代表取締役執行役員社長兼CEO(左)と川島勇 取締役執行役員常務兼CFO

 下方修正の理由としては、売上高については、大型案件の期ずれや期待案件の失注などによるパブリック事業の売り上げ減少、海外事業の伸び悩みなどによるテレコムキャリア事業の売り上げ減少、ハードウェアの減少によるシステムプラットフォーム事業の売り上げ減少、その他の海外事業の売り上げ減少などを挙げた。

売上高における前回予想との差異
売上高における前回予想との差異

 また、営業利益については、売上高の減少による損益悪化に加え、パブリック事業やその他の海外事業で採算性が悪化したことなどを挙げた。さらに新野氏は、「修正した数字には、受注および売り上げ案件を総点検するとともに、個別事業の採算性や収益性悪化についてもすべて織り込んだ」と説明。そのうえで、「第3四半期の実績や第4四半期の見通しを精査した結果、大幅に下方修正した。マネジメントの責任を痛感している。誠に申し訳ない」と頭を下げた。

次の会見では期待したい復活へのシナリオの提示

 では、今回の大幅な下方修正に対して、今後どのように挽回していくのか。新野氏は喫緊の経営課題として、「トップラインの拡大」と「収益性の改善」を挙げた。とりわけ、トップラインの拡大については新規事業の立ち上げの加速を最重要テーマに掲げ、そのために注力事業における投資の継続・拡大、セーフティ関連の事業規模拡大および横展開の加速、M&Aを活用した注力事業の基盤強化を図っていく構えだ。そして、「経営スピードの向上と実行力強化により、新たな業績予想を確実に達成したい」と力を込めて語った。

 そうした新野氏の踏ん張りたいという決意は伝わってきたが、会見を通して気になったのは、希望を抱けるような話がほとんどなく、あらためて成長軌道に向かおうという気概が今ひとつ感じられなかったことだ。質疑応答では記者から「好調な事業はないのか」と問われ、新野氏がようやく「ITサービスは好調に推移している」と答える一幕も。このやりとりは何とも空しいと感じた。

 大幅な下方修正を発表した会見としては、まずはその内容を丁寧に説明することが不可欠だが、そうした正念場だからこそ、「NECはこの分野で復活してみせる」との気概を示すことも必要なのではないか。実際、同社はAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)の分野で積極的な活動を行っており、ITサービスの中でもクラウド事業などは非常に好調だと聞く。そうした希望を抱ける話もぜひすべきではないか。

 会見の翌日の1月31日、東京株式市場でNEC株は一時18%安まで急落した。その理由はもちろん業績予想の大幅な下方修正にあるが、希望が感じられずズルズルと後退している印象を与えたのも少なからず影響しているのではないかと見て取れる。

 とはいえ、新野氏が決意を示した通り、同社にとってはまず新たな業績予想を達成することが必須となる。そのうえで、次の決算あるいは経営方針を発表する会見では、ぜひとも復活へのシナリオを、気概を持って示してほしいものである。

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