調査

セキュリティへの懸念和らぐ、ガバナンスに課題も--RightScaleクラウド年次調査 - (page 2)

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-03-01 06:30

 このようなギャップがあるものの、RightScaleの調査では、回答者の70%が「クラウドで達成したいことの価値を定義している」という。これは2016年の63%から増加している。また、53%がクラウド戦略の導入にスケジュールを設けているという。こちらも、2016年の48%から増加している。また、どのアプリケーションをクラウドに動かすべきかを明確にするという点でも企業で進展があるようだ。

 同時に、ガバナンスの面で企業が進められていないことも複数ある。クラウドのコストポリシーや承認ポリシー、可用性とDR(ディザスタリカバリ)のポリシーなどだ。

 クラウドの財務リソースの管理も簡単ではないようだ。調査では、クラウド利用者は「無駄な」クラウド支出を過小評価していると指摘している。回答者は無駄を30%と見積もっているが、RightScaleの測定では実際の無駄は30〜45%だったという。つまり、クラウドサービスサブスクリプションの少なくとも3分の1は継続的に更新されているが、使われていないのだ。

 「使われていないワークロードを閉鎖したり、低コストのクラウドやリージョンを選択するなど、クラウドコストの最適化にあたって重要な策を講じている企業はごく一部だ」とレポートは指摘し、「効率性を改善して節約するという点で、チャンスがあるといえる」と述べている。

 企業のクラウド環境が高度に、そして複雑になりつつあることから、今後しっかりとしたガバナンスの重要性は増すだろう。クラウドの利用者は平均して4種類のクラウドでアプリケーションを動かしており、さらに4種類で実験しているという。複数のクラウドを使う戦略のある企業の比率は、2016年の82%からの増加し、85%となった。このうち58%がハイブリッドクラウドへの計画があると回答しており、2016年の55%から増加している。複数のパブリッククラウドに向けた計画がある企業も増えており、2016年の16%から20%に増加した。

 クラウド実装を管理する重要なアプローチとなりつつあるのがDevOpsだ。レポートでは、「クラウドベースのアプリケーション開発にあたってデフォルトのアプローチ」になってきているとしている。回答者の78%がDevOpsを採用しているとしており、2016年の74%から増加している。また大企業では84%に達している。全社レベルでDevOpsを導入している大企業が21%から30%に増えたという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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