平野氏はデジタルトランスフォーメーションについて、企業の場合だと「お客様とつながる」「社員にパワーを」「製品を変革」「業務を最適化」といった4つの観点で捉えられるが、大学ではそれらが「学生とのつながりを変える」「学生や教員にパワーを」「授業コンテンツが変わる」「教育・研究の業務を最適化」といった取り組みになると説明。そのうえで同氏は冒頭のように発言した。
静岡大学と日本マイクロソフトでは今後、クラウド反転授業支援システムを全国の大学にも広く提供していく考えだ。平野氏は「当社としては文教部門の担当者20人に加えて、1000社の教育機関向けパートナーとともに、全国にある約800の大学へアプローチしていきたい」と力を込めて語った。
まさしく「教え方」や「学び方」の変革といえるこの取り組みがどこまで広がるか、注目しておきたい。
「これからのセキュリティ対策は“自律的な防御”が求められる」 (パロアルトネットワークス 藤生昌也 エバンジェリスト)
パロアルトネットワークスの藤生昌也 エバンジェリスト
パロアルトネットワークスが先ごろ、次世代ファイアウォール向けの最新OS「PAN-OS 8.0」の国内での提供を開始し、同社の次世代セキュリティプラットフォームを大幅に強化したと発表した。同社でセキュリティプラットフォームのエバンジェリストを務める藤生氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今回初めて打ち出した「自律的な防御(オートノーマスプリベンション)」というコンセプトについて語ったものである。
同社の次世代セキュリティプラットフォームは、次世代ファイアウォール、脅威インテリジェンスクラウド、次世代エンドポイントセキュリティを中心に、同社のセキュリティソリューションをネイティブに連携させ、ネットワークからクラウド、エンドポイントまでの包括的な事前防御を実現するものである。その中核となるOSにおいて、今回70以上の新機能を装備するとともに、9種類の新しいアプライアンスも提供を開始した。
その内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは同社が新コンセプトとして打ち出したオートノーマスプリベンションという言葉に注目したい。
藤生氏によると、オートノーマスプリベンションとは、脅威情報と機械学習などの最新技術を組み合わせ、攻撃に応じた適切な対応を自動で行えるようにするという考え方である。具体的には、まず可視化を行い、攻撃される面を最小化することによって既存の攻撃を阻止し、さらに未知の攻撃に対しても万全の対応を図っていくというものである。
オートノーマスプリベンションの考え方
同社では、今回の次世代セキュリティプラットフォームの強化によって、「自動防御」の先を行くコンセプトとして、オートノーマスプリベンションを促進するとしている。果たして、セキュリティ分野のスタンダードなキーワードになり得るのか、注目しておきたい。