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RPAの価値

一気に拡散した「RPA」の正体--“デジタルレイバー”を味方につける - (page 2)

信國泰(デロイト トーマツ コンサルティング)

2017-03-28 07:00

 もちろん、これまでも複数のITシステムから成る環境を結合させて、効率性を上げる取り組みがなされてきた。Service Oriented Architecture(SOA)のようにシステムをまたがって動かすようなミドルウェア技術がその代表格だろう。

 しかしコストや導入期間、技術的な制約やそもそもの技術者の育成の難しさなど、いくつかの理由からSOAが成功した取り組みであるとは言い難い。

 RPAはあくまでデスクトップ環境で各種システムのユーザーインターフェースを介して対象となるアプリケーションを操作するため、あたかも「人間になりかわって」業務を実行する点が今までのシステムとの違いだ。

 これが、RPAがITとして語られるよりも「デジタルレイバー」「デジタルワークフォース」などと呼ばれるゆえんである。当社においては「ロボット人材」と呼称して社内においても活用している。


 世界的にRPAが注目されるのは、シェアードサービスやBPOの活用などで効率化を推進したり人件費単価を下げる取り組みが長年進んできているなか、オフショア拠点の人件費の高騰などでコストメリットが取りづらくなっていることが挙げられる。

 しかし日本や欧州の一部の国ではむしろ絶対的な労働人口そのものが減少しているなかで、自社の競争力維持・向上のために必要な人材の確保が極めて難しくなってきていることが大きな理由となっている。

 導入の効果については次回以降で詳述するが、上記以外にもRPAのもたらす効果として業務の精度の向上(人間は一定の確率で間違いを犯してしまうが、RPAは決められた処理を決して間違わずに遂行する)やトレーサビリティの向上などが挙げられる。

 これはアジアや中国など、高くなってきているとはいえ比較的に人件費の安い地域においても、多国籍企業がRPA導入を推進する大きな理由となっている。

 これらの地域においては労働人口自体は減少局面を迎えていないが、日本と比べてはるかに活発な中途採用の労働市場が形成されており、人材の流動性が非常に高い。

 このようなマーケットで特定の人材に依存せずに自社のオペレーションの質を維持し、ノウハウを保持・集約しておく受け皿としてRPAはうってつけの手法だ。「ロボット人材」のもたらす多面的な効果が、労働環境の違いを超えて先進地域や発展著しい地域などどこにおいても注目を浴びる理由である。

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