API化は何をもたらすのか
大久保氏:金融機関としては初めて、IoT推進ラボという経産省主催のビジネスマッチングに参加者としてエントリーしました。今までFinTechの領域では関わっていなかった、運送業や自治体など200社程度の企業が参加されていて、時間の許される限りブレストしました。

みずほフィナンシャルグループデジタルイノベーション部シニアデジタルストラテジスト 大久保光伸氏
そこで感じたのは、まだAPI化されていないデータ市場もあるということ。APIを作る時に要素技術が先行するのではなく、この市場にこういうニーズがあるから、このAPIが必要だという、トップダウンからボトムアップへの転換と言うのでしょうか、その発想でいろいろな業種の方たちに説明をしていきました。
お互いのAPIが整うと、データ連携がしやすくなると思います。もちろん、それを取り込むようなAPIを用意しておく必要があります。
通信業界には大幅な遅れをとっている背景もありますが、データ市場では金融業界が一部リードしているところもあり、API連携をきっかけに既存取引先との協業についても前へ進めていかれればと考えています。
落合氏:FinTech協会のAPIの分科会で、Uberの例が発表されたことがありました。決済機能もマップのデータもGoogleなどの外部事業者から提供を受けて、トリップアドバイザーなどでUberのAPIを提供していくみたいなAPIエコノミーができ上がっていて、すごく綺麗ですねという話です。
いろいろな金融機関の方から、APIで何ができるのかを教えてもらえるとAPI導入を進めやすいと言われていたのもあって、FinTech協会では海外の事例を紹介したりもしています。
APIのなかでエコノミーができてくる、Uberみたいなものができてくると、本当に世の中変わるかなという感じはしますが、藤井さんの方ではAPIでこんな風に変わるかもというところはありますか。
藤井氏:APIを作る理由は、スタートアップや大企業にAPIを使ってもらうことで、新しいサービスを作っていく事が目的です。入出金以外にも、投資信託や融資、外貨預金などの金融機能がAPI化されていくと、できることが広がっていくでしょう。
どういったサービスが生まれてくるのか、まだこれからだと思いますが、他社のAPIとマッシュアップして斬新なサービスを生み出していきたいと考えています。