落合氏:大平さんは、会社として大企業に対してコンサルティングのサービスをされていたりすると思いますが、業務効率化についてはどう感じていますか。
大平氏:バリューアップなのか、コストカットなのかというと、コストカットのほうが皆さん「取り組みやすいので、そこが何とかできないか」という問い合わせはあります。
ただ、「なんとかできないか」ではなくて、「こうしたい」があって始まる話なので、そこまで行き着いている会社は少ない印象です。領域を特化して、一個づつ解決しているのは感じますね。
落合氏:「何かしたい」だけだと良いものができないという話が何度か出てきました。藤井さんの方では、例えばサービスを作る時はどのようなことを考えていますか。

三井住友フィナンシャルグループ ITイノベーション推進部部長代理 平手佑季氏
藤井氏:「顧客像が変わってきているので、こういう層に対して、こういうサービスを提供したい」という要望が事業部門からくることも当然あります。あとは、さっき大久保さんと平手さんが仰ったような、技術サイドが作った仮説を検証して、実用化に向けていく方法もあります。
個人的には事業部門のお手伝いもするのですが、出てきた技術に対して適用を考えていくアプローチも好きなので、そちらも力を入れています。
あと最近では、金融業と他の業界がクロスしてきているので、そこと一緒にやっていく必要も感じています。大企業と組んで、win-winになるスケールの大きい事業を作っていくことも面白いです。
落合氏:そういった業界の垣根が見えなくなりつつある状況で新しくビジネスを作っていくことについて、平手さんはどうですか。
平手氏:いろいろな会社や業界と、クロスオーバーでサービスを作っていくアプローチをしていきたいというのは部としても持っています。先ほどお話したハッカソン( 第1回参照)のテーマは「金融×◯◯」という形で、他の業界と組み合わせたら何が生まれるかを考えるものでした。
表彰したプロダクトは、その後の実際にサービス開発を進めているものもあります。そういったイベントなどを通して、外部の会社からの提案でサービスを作るアプローチもありますし、グループ全体として何かやることも当然必要なので、両方を考えていくアプローチができると良いと思っています。
ブロックチェーンもその一つですが、技術キックで始まるサービスは多いと思います。一方で、課題がどこにあるかを考えるのもすごく大事だと思っています。ニーズから考え、金融に限らず社会的な課題としてどう対応していくかという視点を持ちながら、サービス作りをすることを意識しています。