成果はどうか。3月に発表した直近の四半期(2017年会計年度第3四半期)のハイライトとして、クラウドは年換算で前年同期比73%増加、売り上げは前年同期比72%増、年間に直すと50億ドルレベルとHurd氏は報告する。クラウド事業のけん引役はSaaSとPaaSで、合計の収益は86%増、請求は111%増と倍増以上の成果を遂げているという。
SaaSでは1125社の新規顧客を獲得、合計のSaaS顧客数は1万3100社を超えた。これに、先に買収したNetSuiteの顧客が加わると、2万5000社程度になるという。PaaSでも2380社の新規顧客を獲得し、IaaSでは新規にスタンダロンのインフラサービスを購入する顧客が2586社を数えた。
Hurd氏はSaaSで獲得した1125社の新規顧客に触れながら、「OracleのSaaSはオンプレミスからの移行顧客と思われているようだが、それは違う。我々はこれまでリーチできなかった顧客層にクラウドでリーチしている」と胸を張った。
この日最大のニュースとなったのは、Oracle Databaseの顧客であるAT&TによるOracle Cloud採用だ。AT&Tが社内に抱える数千台規模のOracle Databaseをクラウドに移行させる、というもの。「データベースとアプリケーションワークロードをOracleのクラウドに移行する。AT&Tはエクサバイト級のデータを持っており、Oracle Databaseの規模は実に大きい」とHurd氏。
SaaSでは、まずは7万人のフィールド技術スタッフが「Oracle Field Service Cloud」を利用して、訪問のスケジュールや割り当てなどを自動化する計画が明かされており、他の領域でもOracleのSaaS利用を進めていくという。AT&Tはまた、自社の機械学習とビックデータ機能をOracle技術に組み合わせ、生産性、時間通りの訪問などの改善も図る。