Microsoftは「Azure Blockchain as a Service」で、企業が容易に現実世界のアプリケーションを構築できるようにしている。そして米国時間7月20日、ブロックチェーン・アズ・ア・サービス戦略における次のステップとして「Enterprise Smart Contracts」を発表した。
Enterprise Smart Contractsの枠組み
提供:Microsoft
「顧客とパートナーより、”ブロックチェーンネットワークの立ち上げが簡単になった。では、次に何をすれば良いのか?”という声をもらっている」とMicrosoftでAzure Blockchain Engineering担当主席プログラムマネージャーのMarley Gray氏は説明する。
ブロックチェーン分野におけるMicrosoftの取り組みを簡単にまとめてみよう。ブロックチェーンは仮想通貨のビットコインを支える技術だが、それ以外にも利用できる。暗号通貨だけでなく、他の記録についても完全な取引履歴を保存できる分散、共有型レッジャー(元帳)だ。そのため、銀行や金融関連を中心に多数の企業が関心を持っている。
Microsoftは2015年11月にAzure Blockchain as a Serviceを発表した。そして2016年、ブロックチェーンのテンプレート/ミドルウェア「Project Bletchley」の最初のバージョンを披露した。これにより顧客やパートナーが非公開のEthereumネットワークを構築できるというものだ(Ethereumはオープンソースのブロックチェーンベースの分散コンピューティングプラットフォームで、分散された仮想マシンを提供する)。
Enterprise Smart Contractsはスキーマ(契約の実行と履行向けのデータ要素)、ロジック(ビジネスルール)、取引先、外部ソース、台帳、契約の拘束性などのコンポーネントを提供するもので、Microsoftは、企業がブロックチェーン・アズ・ア・サービスを土台にして開発する方法を見出すのを支援する。
Azureパブリッククラウドが、Enterprise Smart Contractsの実行に必要な機能のためのビルディングブロックを提供する。だが、企業ユーザーはブロックチェーンと同じ暗号プリミティブを共有する以上の機能を求めている。必要なのは、プラットフォーム、そしてフレームワークだ。
プラットフォームは鍵管理や、企業のアイデンティティの安全な統合などのタスクをこなす。フレームワークはその上に構築されており、機密管理機能、ランタイム環境サービス、トランザクションビルダーおよびルーター、メッセージベースのAPIを擁する。
Gray氏は「クリプトレット(Cryptlet)」コンセプトと新たなフレームワークによって、既存のスキルやツール、コンポーネントを統合できる中間的なプラットフォームを開発者らに提供すると説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。