その結果、ITリーダーたちはチームを今まで以上の迅速さで立ち回らせなければならないという強いプレッシャーにさらされていることが明らかになった。この点に驚きはないが、テクノロジの変化のペースに後れを取らないよう、かつてないほどの俊敏さで立ち回る必要があると感じている企業の数の多さは特筆に値する。94%の企業幹部が、顕著なプレッシャーを感じていると答えている(「強い」プレッシャーを感じているとしたのは31%であり、「とても強い」プレッシャーを感じているとしたのは64%だった)。

プレッシャーそのものはさまざまな方面から来ているようであり、回答ではすべての利害関係者(業務部門や企業幹部、顧客など)からのプレッシャーが等しく挙げられていた。しかし、デジタル変革が、自社の2017年における注力対象ではないとした回答者は1人もいなかった点には注目すべきだろう。
これらITリーダーの大多数が、デジタル変革という流れに背中を押されているのは明白だ。
2017年にアジリティをもたらすテクノロジ
筆者は、これらITリーダーたちが2017年により迅速かつアジャイルな動きを実現するためにどのテクノロジを導入しようと考えているのかを知るために、以下の選択肢を用意した。それらのなかで回答が多かったのはBI/アナリティクス/データのさらなる活用(おそらくはITプロジェクトに対してより正確なフィードバックをより迅速にもたらすのが目的)とパブリッククラウド、DevOpsだった。また、今回の調査では自由回答欄も用意した。
これにより、トップクラスの企業が2017年にITでより俊敏に立ち回るために何を導入しているかを示唆する興味深いパターンが浮き彫りになった。多くの回答者は、アジャイルになるために活用している具体的なテクノロジツールを複数挙げている。自由回答欄では「Apache Spark」や「Capriza」「Okta」「MultiChain」「Puppet」が特に多く挙げられていた。アジャイルを目指す企業がこれらのツールを活用しているというのは、彼らのデジタル変革に向けた取り組みを成功させるうえで重要な鍵になっていると言える。
Apache Spark
企業がビッグデータの利点を活用しようとした場合、今日における大量の、そして増え続ける業務データをタイムリーかつ効率的に処理/分析する能力を獲得するという壁を乗り越える必要がある。そのために利用できる効果的なツールの1つが、ストリームデータの即時分析を可能にするパワフルなオープンソースツールであるApache Sparkだ。
Sparkの導入によって企業は今までにない俊敏性を手にできる。というのも、大量のデータを処理し、活用するSparkの力によって、より優れた意思決定を迅速かつ自信を持って行えるようになるためだ。数週間、あるいは何カ月もかかっていたデータ処理は数時間で、場合によってはリアルタイムで完了できるようになり、業務運用のスピードと生産性が向上するのだ。