クラウドを越えて進む両社の提携事業領域
庄司氏の上記の発言は、とある事例が発端となっている。その事例とは、タイで先頃デジタルをテーマにした国際イベントが開かれた際、受付業務を自動化するため、NTT Comが自社の人工知能(AI)エンジン「COTOHA」とGoogleの翻訳エンジンを組み合わせたサービスを納めて非常に好評を得たというものだ。
一方、阿部氏の上記の発言は庄司氏の発言に呼応するとともに、スマートフォンとイヤホンがあればリアルタイムで翻訳サービスを利用できるというGoogleが開発中のサービスを紹介。それに、さらにNTT ComのAI技術を組み合わせれば、との流れで出てきたものだ。
その上で、両氏はこんなやり取りを交わした。
「グローバルな言葉の壁に対して翻訳技術を有効活用するように、技術は人間の能力を拡張することができる。また、忘れてしまいがちなことをAIが気付かせてくれたりもする。そんな技術による未来志向のサービスをNTT Comと創っていけると確信している」(阿部氏)
「その期待にしっかりと応えて、翻訳サービスにしても世界を驚かせるような“おもてなし”をGoogleと一緒に実現していきたい」(庄司氏)
もちろん、そのおもてなしを支えるのはクラウドだろうが、もはや両社の提携がクラウド事業領域を越えて進んでいくのは間違いない。果たして、今後何が生まれてくるか。そんなことを思わせた両氏の対談だった。