3.AI分野の人材不足を埋めるための代替手段を探す
ロボットを人間で置き換えることについては、いろいろと恐ろしい話も出回っている。Gartnerは、2020年までに自動化によって180万人分の職が失われると警告する一方、人工知能(AI)は230万人分の新たな職を創出するとも予想している。
変化の矢面に立つのは、ほとんどの訓練を仕事中に受ける、あまりスキルを必要としない仕事である一方、AIは数百万人分の新たな管理的職務や単純労働を生み出すとGartnerは考えている。CIOは激しい人材獲得競争に備える必要がある。
Gartnerのグローバル調査部門責任者Peter Sondergaard氏は、「AIを扱う能力が必要になるが、人材を見つけることはできないかもしれない」と述べている。「個人との業務請負契約や、人材育成、アウトソーシングなど、必要を満たすための代替手段を模索する必要がある。その際には単独で進めるのではなく、人事部と協力して進めるべきだ。人事部は最高の人材を引き付ける魅力的な職場を生み出すのを助けてくれる」
4.最高デジタル責任者が姿を消すとともに生まれるチャンスを生かす
ほかのアナリスト企業と同じく、Gartnerも最高デジタル責任者(CDO)の潜在的な重要性を強調しすぎているとして批判を受けてきた。Gartnerはもともと、2015年までに企業の4分の1がCDOを導入するとしていたし、IDCはCIOの60%が2020年までにCDOに取って代わられると主張していた。
しかし今となっては、これらの予想は的外れに思える。Gartnerは、優れた業績を挙げている、世界的企業のCIO300人のうち半数以上(55%)は、CDOとしての役割も果たしていると述べている。ただしNunno氏は、CDOはイノベーションを後押しする役割を果たしたものの、Gartnerはこれまでも、CDOは過渡期の一時的な役割だと見なしてきたと主張している。
「わが社は以前から、CIOは必要不可欠な存在であり、企業にとって重要だと信じてきた。テクノロジに対する投資は年々増え続けており、当面の間は、CIOの役職が無くなることはないだろう」とNunno氏は言う。
「規模の拡大にはCIOが必要だ。企業や大規模な組織は、物事を分断してしまいがちであり、協力が得意ではない。多くのIT部門以外の企業幹部は、規模を拡大するチャンスがないと不満を言っている。一方、CIOは規模の拡大を得意としている」(Nunno氏)