ハイパーコンバージドインフラ(HCI)市場をリードする米Nutanixが、その基盤ソフトウェアの単体販売に乗り出した。果たして、狙いはどこにあるのか。
「Enterprise Cloud OS」単体のライセンス販売を開始
会見に臨むニュータニックス・ジャパンの町田栄作コーポレートマネージングディレクター兼社長
「これからはEnterprise Cloud OSを前面に押し出していきたい」――。Nutanixの日本法人であるニュータニックス・ジャパンの町田栄作社長は、同社が先頃開いた記者会見でこう強調した。同社はこの会見で、従来展開してきたHCIの基盤ソフトウェアである「Enterprise Cloud OS」の単体でのライセンス販売を国内で開始すると発表した。
NutanixはHCI分野の草分けとして、2011年からシステム製品とともに、今ではEnterprise Cloud OSと呼ぶ基盤ソフトウェアを提供してきた。このOSの最大の特徴は、ハードウェアやハイパーバイザーに依存することなく利用できることである。
Enterprise Cloud OSが稼働するハードウェアとしては、IBM、Dell EMC、Lenovo、Cisco、HPEなどのハイパーコンバージドシステムがあり、プライベートクラウドを含めたオンプレミス環境だけでなく、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureといったパブリッククラウドサービスとも連携させたハイブリッドクラウドおよびマルチクラウド環境の基盤ソフトウェアになり得ることを売り物にしている。(図1参照)
図1:Enterprise Cloud OSの目指す姿
今回、国内でのEnterprise Cloud OS単体のソフトウェアライセンス販売の開始に伴い、Nutanixは主要パートナー9社と同OSのサブ・ライセンス権許諾契約を締結。主要パートナーには、伊藤忠テクノソリューションズ、NECフィールディング、兼松エレクトロニクス、ソフトバンクコマース&サービス、TIS、東京エレクトロンデバイス、日商エレクトロニクス、ネットワールド、日立システムズが名を連ねている。
左から、日立システムズの桑原俊夫執行役員、ネットワールドの遠藤孝之常務取締役、日商エレクトロニクスの岡村昌一社長、東京エレクトロンデバイスの徳重敦之社長、TISの佐藤祐次常務執行役員、町田氏、ソフトバンクコマース&サービスの高瀬正一取締役、兼松エレクトリニクスの鈴木勝人取締役、NECフィールディングの三上理取締役、伊藤忠テクノソリューションズの寺田育彦常務執行役員