SAPジャパンが他の人事・給与システムから同社のクラウド人事・給与システム「SAP SuccessFactors」への乗り換えキャンペーンを4月23日に開始した。ターゲットはどこか。この取り組みにおける同社の思惑を探ってみた。
一定の基準を満たせばSuccessFactorsを特別価格で提供
SAPジャパンによると、この乗り換えキャンペーンを利用することで、企業はタレントマネジメント機能やビジネスプロセス支援機能など、豊富な機能を備える最新の人事・給与プラットフォームへの移行を最小限の追加費用負担、かつ短期間で行うことができるとしている。
同社は今回の取り組みの背景として、次の2つを挙げている。
1つは、従来の年功序列や終身雇用といった国内の人事における慣習が大きく変革している中で、企業は従来の慣習や制度を前提とした人事・給与システムの変更に迫られていることだ。
もう1つは、旧来の人事・給与システムでは、人工知能(AI)やロボティクスなどをはじめとした最新技術を十分に活用できる環境を備えていないものが多く、技術の側面からも新たな人事・給与プラットフォームへの刷新が求められていることである。
こうした背景があるものの、システム移行にかかる費用、期間、手間などが課題となり、多くの企業が旧来システムを使い続けているのが現状だとしている。
そこで同社では、企業が新しい人事・給与プラットフォームに移行しやすいように、アクセンチュアや日本IBMなど14社のパートナー企業とともに、SuccessFactorsを特別価格で提供する乗り換えキャンペーンを展開することにした。
このキャンペーンの期間中は、現行システムのアセスメントを行い、一定の基準を満たしていると判断された企業に対しては、現行の人事・給与システムの年間保守料金をディスカウントする形でSuccessFactorsを提供する。
また、現行システムからSuccessFactorsへの移行に必要となるデータ項目のマッピングを行い、これをSAPジャパンを通じて参画パートナー企業間で共通化するとともに、必要なアドオンプログラムも同社を通じて各パートナー企業が共通利用できるようにし、移行プロジェクトの品質とスピードを高めていく構えだ。
SAPジャパンでは2019年12月末日までキャンペーンを展開し、100社への導入を目指すとしている。