調査

Red Hat Enterprise Linuxは「10兆ドルのビジネスの売上高に影響」--IDC

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-05-17 07:30

 米司法省は米国時間5月3日、ボストンで開催された「Red Hat Summit」を前に、IBMによるRed Hat買収提案の審査を終え、基本的にIBMとRed Hatの買収計画を承認した。これは、IBMのRed Hat買収が2019年下半期に完了する流れが順調に進んでいることを意味している。

 Red HatはRed Hat Summitで、IDCが実施した調査の結果を発表した。調査によれば、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)上で実行されているソフトウェアやアプリケーションは、2019年中に10兆ドル以上の世界的なビジネスの売上高に影響を与えるという。

 この数字は見間違いではない。金額は「億ドル」ではなく「兆ドル」だ。

 IDCの主張は、RHEL上で実行されているソフトウェアやアプリケーションが、2019年中に発生する10兆ドルのビジネスの売上高に「関与」するということであり、この数字は経済成長率の2倍のペースで伸びるという。ビジネスの売上高は188兆ドルを上回ると予想されている。

 では、「関与」とは何を意味するのだろうか?IDCは2019年の世界的な売上高を188兆ドルと推定している。同社は、このうち少なくとも40%でソフトウェアが利用されていると推定した。IDCの推定によれば、2019年のITの「総影響額」は81兆ドルだ。さて、あらゆるソフトウェアは、いずれかのOS上で実行されている。また、ソフトウェアの多くはサーバー上で実行されているエンタープライズ機能に関与している。またIDCによれば、全サーバーの半分以上でLinuxが使われており、 RHELは企業サーバーに導入されているLinux OSの約25%を占めている。これらの数字から計算してみるといい。

 したがって、これらの何兆ドルという数字は、Red Hatがグローバル経済に影響を与えているというだけでなく、Linuxが企業のITに大きな影響を与えていることも意味している。IDCのビジネスコンサルティング担当バイスプレジデントCushing Anderson氏は、次のように述べている。「Red Hat Enterprise Linuxは世界有数のエンタープライズ向けLinuxプラットフォームとして、業務などを行う基盤となっており、世界の数兆ドルものビジネスの売上高に関与し、数十万人の雇用を生み出し、エコシステムのパートナーに数百億ドル分ものチャンスを生み出している」

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