Q13.有事に限らず、ひとり情シスは一人しかいないことの対応策を取っておく必要があります。改めて確認しておくことは何ですか?

ひとり情シスの黒田光洋氏
A13.もし不十分であれば、在宅で使える環境かどうか、再び保守契約書や利用規約などを確認します。サポート窓口や担当営業に確認し、注意事項があればドキュメントやマニュアルなどに残し、上司や関係部門と情報をシェアしておくことをおすすめします。
ひとり情シスで回るようにすることこそが、一人しかいないことへの対策の第一歩と考えています。一人で回せる状態は、自分に全ての情報が集まるので全体最適により効率化や省力化ができているということだからです。一人以上の仕事ができることがあります。しかし、同時に多くの案件が並行して走っているのを抱えているため、最低限必要な情報は記録・保管・管理しておかないと、後に自分自身が困ります。
自分でできることはできるだけ自分で頑張ってもらうための情報公開は必要です。手順書があればたいていの人はそれに従ってくれます。問い合わせが来たとき、「ここに手順がありますよ」と言えるようになれば情シスの負担を減らせます。
IT技術者が足りない時代に、ひとり情シスの代わりを探そうという発想には無理があると感じるようになりました。社内の情報を一カ所に集め、何かあったらこの業者にお金を払ってお願いすれば何とかなるという状態を作ることこそ、ひとり情シスの対策であると私は考えています。
Q14.このようなときだからこそ、全国のひとり情シスの方へお伝えすることはありますか?
A14.在宅勤務を普通にできるようにすることには最初は困難を伴いますが、自身のスキルを劇的に高めることにつながります。どこででも仕事ができる状態にすること自体がノウハウであり、スキルになります。将来の自分への投資のようなものです。ITはますます重要になり、IT人材の不足は進むので、実力あるひとり情シスは希少価値になります。定年後に独立しても引く手あまただと思います。
また、今回の緊急対応で場所を選ばないリモートワークが完全に認知されるので、ひとり情シスの仕事の仕方も必然的に変わってくるでしょう。年老いてくる両親の故郷に戻って、リモートひとり情シスとして仕事する機会も増えると思います。
私も本の最後で書いたのですが、自然好きな私はリゾート地で働きながら仕事することを夢みていました。昨今の人手不足やテレワークが追い風になり、思ったよりも早く夢が叶うのでは…と思っています。私も定年を意識する年齢になってきていますが、エンジニアとして夢を持って難問にチャレンジし、日々スキルアップに励む気持ちが強くなっています。「諦めなけれれば良いこと起きるのかな」と信じています。
黒田さんへの質問を受け付けています。可能な範囲で対応します。また、この記事にないひとり情シスに役立つことなどありましたら、ぜひインプットいただけると助かります。まとめて、再発信します。
ひとり情シス向け情報/質問・意見 - 「黒田に聞け!」
https://jp.research.net/r/27FLGPB