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アナリティクス分野の合併や買収--10年の動きを振り返る - (page 2)

Andrew Brust (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-03-31 06:30

AI、ビッグデータ

 次にビッグデータ企業の買収を見ていこう。この分野では、2014~2016年に大きな波があり、それに続く2017年と2018年には引き潮になっている。引き潮はその翌年には終わり、2019年には数件の新たな買収契約が結ばれた。この10年間の中盤に起こった買収取引には、HortonworksのXA Secureの取り込みや、ClouderaGazzang獲得などの、戦術的な買収も一部に見られる。しかし最近の動きは、HortonworksとClouderaの合併や、Hewlett Packard Enterprise(HPE)によるMapR資産買収など、業界構造を根本から変えるものが多い。興味深いのは、サブカテゴリーであるビッグデータのインフラとストレージ関連の分野で、いくつかの連続した取引が見られたことだろう。これらの取引も2014~2016年にかけて起きたもので、RainstorCleversafeAltiscaleが、それぞれTeradata、IBM、SAPに飲み込まれた。

 AI(人工知能)の世界では、2015年以降、毎年1件は大型買収があった。MicrosoftによるRevolution Analyticsの買収GoogleによるKaggle買収、TIBCOのAlpine Data買収などがこれにあたる。最近は、また新たに多くのAI企業が生まれているため、次の10年間でもAI企業の買収劇が何度も見られることになるだろう。

データガバナンス

 顧客がデータを取り込み、変換し、管理することができなければ、買収した企業も買収された企業も、本当に成功することはできない。おそらくそれが、この2年間で7つものデータガバナンス企業の買収が見られた理由だろう。すでに触れたデータパイプライン企業とデータカタログ企業の3件の買収に加え、最近ではTalendがStitchを、QlikAttunityとPodium Dataを、Collibraはデータリネージュ企業SQLdepを買収すると発表した。

 また、この領域では非常に多くの新しい企業が生まれている一方で(例えばMatillionAscendEqualumのようなデータパイプライン企業や、データカタログ市場に参入したData.Worldなど)、AI企業やBI企業には自社のプラットフォームにデータガバナンス機能を取り込もうとする傾向があるため、この分野でも今後頻繁に買収が起こるだろう。

データ市場の企業のライフサイクル

 データ市場のエコシステムには、イノベーションが開花し、ベンチャーキャピタルが流れ込み、複数の企業が技術を製品化して、新たな技術を市場に持ち込むという流れがある。その後、業界を代表する企業(以前であればエンタープライズソフトウェア市場の既存企業、今であればパブリッククラウドプロバイダー)がいくつかの企業を買収するか、独自に対抗する機能を実装して、革新技術をあって当たり前の商品に変える。それが再編の波につながり、その後大手企業が有利な立場にあぐらをかいてイノベーションを怠れば、停滞の時期が訪れる。そして、またこのプロセスが繰り返されるわけだ。

 そうした流れを繰り返し目にすれば、うんざりしそうだと思うかもしれない。しかし実際には、その流れを知ることは非常にためになる。IT業界のM&Aサイクルについてよく学んでいれば、プラットフォームが持つリスクの評価と管理に役立つからだ。M&Aのトレンドと傾向を理解しておくことは、どのベンダーがイノベーションを取り込んでプラットフォームを確立し、どのベンダーが独立性を保ち、どの企業が買収対象になるかをある程度予想する上で有益だ。M&Aに対して直感が働くITプロフェッショナルは、新しいイノベーションを見分けて活用することができるし、凋落するプラットフォームを予想することもできるかもしれない。そうすれば、テクノロジーや人材、トレーニングへの投資をずっと効果的に行うことができるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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