まとめ
本稿で解説したとおり、NetBeans 6.0はRuby/Railsでの開発に充分な機能を提供しており、NetBeansがもはやJava開発のためだけのものではないということがわかる。JRubyやRailsも同梱されているため、すぐにRuby/Railsでの開発をはじめることができる点が魅力だ。Railsの勉強用途に利用してもいいだろう。
それにしても驚かされるのはRailsやWEBrick、RubyGemsまで動いてしまうJRubyの完成度の高さだ。JRubyはJavaによるRubyの実装であるため、将来的にはJavaとの連携やJavaEEアプリケーションサーバ上でのRailsアプリケーションの運用など、本家Rubyにはない可能性を秘めているかもしれない。
また、JavaSE 6で搭載されたScripting APIや、ここのところSunがJRubyに力を入れている(SunはJRubyの主要開発者を雇用している)ことからも明らかなように、Java陣営はスクリプト言語への取り組みを強化してきている。これまでスクリプト言語を利用する開発者はテキストエディタでコーディングしているという方も多かったのではないだろうか。しかしここにきてNetBeansではRuby/Railsがサポートされ、EclipseでもPHP向けのプラグインの開発が進められているなど、スクリプト言語でもオープンソースで強力なIDEが利用可能な状況が整いつつあるのではないだろうか。