日本オラクルは「Oracle Summit 2007 in TOKYO Oracle Database 11g Launch」を開催、同社のデータベース製品の新バージョンについてパートナーやユーザーへの説明を行った。このイベントの中でトヨタ自動車ITマネジメント部システムデザイン室室長の加藤雅章氏が登壇「11gはトヨタの無理難題に答えたリリース」とオラクルの「顧客にフォーカスしたリリース」をたたえた。
11gは30年の歴史の中でも「特に顧客にフォーカスしたリリース」と日本オラクル代表取締役社長兼CEOの新宅正明氏。様々なテクノロジ面での進化は顧客の要望に基づくものだとする。この要望は国内の顧客からの要望も多々反映されているという。
講演でトヨタが紹介した要望は、国内ユーザに典型的なものだった。つまり、基本SQLの性能改善、アプリケーション開発効率向上、アプリケーションサーバーとの親和性向上だ。
特に基本SQLの性能改善はメインフレームからの移行が多い昨今の国内ユーザにメリットが大きい。Oracleをはじめとした「近代的な」データベースエンジンは複雑なSQLの実行効率を上げることに重きが置かれいる。一方で、メインフレームで実行されるSQLは単純なものが中心。メインフレームでは単純なSQLを一定のパフォーマンスで、かつ安定して実行することが求められた。
11gではこうした要望にも応えるべく、単純なSQLでの性能向上が実現されている。
また、ほかにもこれまでオープン系のデータベースでは実現できていなかったメインフレームでは当たり前に実現されていた要望が実現されている。例えばエラーが起きたとき、オープン系のシステムでは再現ケースを作るのが大変だった。しかし、11gでは関連情報を自動的にパッケージすることで、エラーに関する正確な情報取得が可能となっている。
「11gはトヨタ流のシステムを実現するのに十分なレベルになったことを確認した」と加藤氏。11gの新機能に関しては、特にNew Composit PartationとFlashback Data Recovery、Database Vaultを評価しているという。これらはノンストップ、増加するデータ量への対応、セキュリティといった要望に応えるものという。こうした機能も生かしながら同社では今後、事務系だけでなく物流・生産といった基幹系への適用を広げる。