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新着記事集:「負荷分散」

Notes/Dominoユーザーが立つ岐路--企業のコラボレーション基盤を考える(1)

梅田正隆(ロビンソン)

2008-08-01 21:31

 この連載では、企業におけるコラボレーション基盤の現状について考えていく。ユーザーやベンダーは、今後どのようなコラボレーション基盤が必要になると考えているのか。そして現在、どのような提案がなされ、どのような選択が行われているのかについて見ていきたい。

 特に今回は、10年以上前に登場し、その後一時代を築いた「Lotus Notes/Domino」を議論の中心に置いて話を進める。ITによるコラボレーションの恩恵を知らしめ、現在も国内の多くの企業が使うLotus Notes/Domino。しかし、10年前と比較して、ビジネスを取り巻く環境も、そしてIT自体も別物と言ってよいほどの変化を遂げている。Notes/Dominoは、そしてそれを運用するユーザーは、その変化をどのようにとらえるべきだろうか。

Notes/Dominoが輝いていた時代

 企業のコラボレーション基盤としてNotes/Dominoが果たしてきた役割は大きい。ここで、このソフトウェアを生み出したアイデアに敬意を表し、その成り立ちを簡単に振り返ってみたい。

 1984年に、その後「Lotus Notesの父」と呼ばれることになるRay Ozzie氏(現Microsoft チーフソフトウェアアーキテクト)は、Lotusの投資を受け、クライアント/サーバモデルによるグループメール、グループディスカッション、グループアドレス帳、そして文書データベースといった機能を持つグループウェアを考案した。インターネットや電子メールに触れたことさえない人がほとんどだった時代のことだ。

 およそ5年の開発期間を経て、Lotusはユーザーグループにおけるコミュニケーション、コラボレーション、コーディネーションを強化するアプリケーションとして、1989年に最初の「Lotus Notes 1.0」を出荷。Lotus Notesは、商用化された最初のクライアント/サーバ製品でもあった。

 ご存じのように、この先進的で画期的なアイデアは高く評価された。特にユーザーが必要に応じてアプリケーションを設計できる機能が受け入れられ、ユーザーだけではなく多くのシステムインテグレーターにも受け入れられた。データベース、開発環境、実行環境が一体化したプラットフォームであるNotesは、SIerのビジネスモデルとも親和性が高かったからだ。

 Lotus Notes R3.0が出荷されたのは1993年。当時、Lotus Notesは既に2000を超える企業に採用され、およそ50万ユーザーがいたという。3.0ではスケーラビリティが強化されるとともに、Macintoshクライアント、AppleTalkネットワークがサポートされた。

 1995年にはIBMがLotusを買収。1996年にはユーザーインターフェース(UI)を刷新したR4.0が出荷された。プログラミング言語である「LotusScript」や、3ペイン構成のUI、Lotus Notesデータベースへのウェブブラウザからのアクセスなどの機能が提供された。R4.5(1996年)でブランド名が変更され、「Lotus Domino 4.5 Server」と「Lotus Notes 4.5 Client」が出荷。これを機に、サーバ製品とクライアント製品が明確に区別されるようになり、全体として「Lotus Notes/Domino(ノーツドミノ)」という呼称が使われるようになった。

 IDCが調査した1998年上半期の市場レポートによると、1998年6月時点でLotus Notes/Dominoが2190万ユーザーを獲得してグループウェア市場でトップに。Microsoft Exchangeが1500万ユーザーで2位につけていた。

 Lotus Notes/Domino R5.0(1999年)になると、さらにウェブとの統合が進む。Domino Serverは主なインターネット標準をサポートし、Lotus Notes Clientもウェブブラウザ風のUIを採用。ポータル機能も提供された。

 IBMのウェブサイトによると、2001年のLotus Notes/Dominoの世界シェアは出荷金額ベースで49.0%(出典:IDC, June 2002)。同年の日本シェアに至っては、出荷シート数ベースで59.0%(出典:UNIX/NT Business Package Software Marketview 2002)と、圧倒的優位に立った。特に都市銀行のシェアは100%を獲得。総合電気や自動車といった業界でも高いシェアを得て、国内でも頂点に立つ。輝かしい成功である。

 さらに進化は続く。Lotus Notes/Domino 6(2002年)でiNotes Web Accessサーバが提供され、メッセージング機能へのアクセス性を拡張。J2EEにも対応した。Lotus Notes/Domino 6.5(2003年)では、クライアント機能が改善され、Sametime Instant Messagingとの連携や在籍表示機能を提供。メールクライアント機能の追加と、サーバ管理機能やセキュリティを強化、Linuxサポートも追加された。その後、Lotus Notes/Domino 7(2005年)、最新版のLotus Notes/Domino 8(2007年)へと続いている。

Notes 企業向けのグループウェアとして一時代を築いた「Lotus Notes」。ロータスでは、個人向けの製品としてR4.6をベースにいくつかのテンプレートをバンドルした「パーソナルノーツ」という製品(画像)も発売していた。

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