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タックスホリデーが悪例になった3つの理由 - (page 3)

三国大洋

2012-05-14 13:29

 「金は天下の回りもの」という言葉があるが、この税金をめぐる一連の動きをみていくと、結局は公(政府など)と民間(企業や慈善団体、もしくは個人)のどちらが有効に資金を活用していけるかという、ある種の信念に関わる議論に突き当たるような印象を受ける。

 実際、アップルなどのような企業にしても、また個々の経営者や投資家にしても、随分と気前よく慈善団体に寄付したりもしている。最近では、マーク・アンドリーセン(元ネットスケープ)らが運営するベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ——フェイスブックなどに投資——が、今後手にすることになる儲けの半分を慈善活動に寄付すると発表し、ちょっとした話題となっていた。

 結局、政府に(税金という形で)お金を渡してもろくな使い方をしない、という不信感(歴史的にある)がこのところ特に強まっており、同時に企業経営者側には「株主利益の最大化」を求める(ラルフ・ネーダーの要求のような)圧力も高まっている。そういう制度的な限界の結果が、この米国のテクノロジー企業による税金圧縮と海外での利益積み上がりのメカニズムになっているという印象を受ける。

 しかし、だからといって、1兆ドルを超えるお金が手つかずのまま残っているというのも、いまの世界経済の状況を考えれば決して放置していいといえないだろう。もっと「活きたお金」として使われたほうがいいのはおそらく間違いないはずだ。

 また、アップルの場合に限れば、倒産の危機に瀕する経験をした故スティーブ・ジョブズの「負の遺産」ともいえる問題のひとつという見方もできよう。すでにいくつかの負の遺産の処理に向けて手を打ってきているティム・クックCEOが今後どういった動きにでるか(あるいは出ないのか)——世界各国に市場を広げるアップルの出方は、否が応でも注目を集めることになると思われる。

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