アップル、マイクロソフト、そしてグーグル--CIOにとって各社の発表が意味するもの - (page 2)

Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-07-11 07:30

Google

 わたしは、Googleの発表を3社の中でもっとも興味深いと受け止めた。Appleは既存製品を洗練させ、改善するサイクルにあり、Microsoftはハングリーな成り上がり者になろうとする役割を演じたが、Googleは風変わりで、自分のペースで行進しているように見える。

 Googleの主な発表は、新しいソフトウェアと一緒に出荷される低コストタブレットを含む一連のAndroidに対する改善と、機知に富んだGoogle Glassプロジェクトのデモからなっていた。前者の話題は、すでにAndroidプラットフォームに肩入れしているのでなければ、あまり関係のない話だ。ハードウェア費用は企業のタブレット導入に関しては比較的小さな問題であり、この製品はどちらかといえば一般消費者を標的としたものだと思われる。Google Glassに関しては、誰と話しているかによる。この製品は、エンタープライズコンピューティングを革命するか、Googleの傲慢を示すもので、犠牲の大きい寄り道になるかのどちらかだろう。

Google Glass

 Googleは負けたと見る陣営から見れば、GlassのデモがAmazonの「EC2」と争うために設計されたGoogleの新しいクラウドコンピューティングプラットフォームに関するプレゼンテーションを中断させたことが特に問題となる。この議論は、Googleは退屈な企業向け製品に関する懸念よりも、ハイテクおもちゃで遊ぶことを選んだのだと続くが、これはCIOにとっては安心できる考え方ではない。一方、声の大きさでは負けていないGoogle寄りの陣営は、眼鏡に表示される品質指数をチェックする店員から、短い音声コマンドで四半期の業績を調べる役員まで、Google Glassを身につけた従業員で溢れている企業を思い描く。

 わたし個人は後者の陣営に属しており、Glassプロジェクトや自律型自動車のようなGoogleの取り組みを、宇宙開発プログラムのようなものだと考えている。費用は高く、直接的な恩恵はないが、多くの役に立つ派生技術を生み出す可能性が高い。しかしCIOは、最先端のイノベーションを生み出す可能性はあるが、同時に製品をキャンセルしたり、速いペースで修正したりする可能性も高い企業との付き合い方は、よく考える必要がある。小規模な組織、動きの速い組織、あるいは適応力が高い組織にとっては、Googleは素晴らしい企業向け製品を提供してくれる会社になるかもしれない。

次はどうなる

 われわれは刺激的な秋のシーズンを待っているところだ。上記の派手な発表の多くは、すぐに机の上やポケットの中にやってくるだろうし、それに加えAppleの新型iPhoneについてもまだ分からないことが多い。もし読者がジェットコースターに乗っているような気分だったとしても、それはあなただけではないし、その場合は、自分の組織で最先端の技術が好きな人を何人か探し、四半期に一度、今後も続くビッグスリーの不思議な振る舞いについて説明してくれるように頼むことを強くお勧めする。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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