#5:適切な人々を参加させる
これだけは絶対におろそかにしてはならない。利害関係者全員をプロセスに巻き込むというわけだ。これを行わない限り、取り組みは失敗するだろう。参加機会を与えられなかった人たちは、自分たちがのけ者にされたことを知り、計画されている変更すべてに抵抗するだろう。さらに、あなたの取り組み自体の完成度も低くなるはずだ。
この話にも教訓がある。それは、プロジェクトに参加させるだけで協力が得られるわけではないというものだ。筆者は、あまり協力的でない人々とともにBPIの取り組みを行った経験もあるが、期待通りの成果を生み出すことはできなかった。筆者は、どのような組織においても、誰もが職場改善に取り組む責任を持っており、それは年次の勤務評価に含まれるべきだと考えている。変革にあらがうために闘争的になっている人がいるというのであれば、何らかの対策が必要となる。とは言うものの、誰かの言い分に同意できなかったとしても、その人を罰してはいけない!ここでの目標は不和ではなく、一致団結なのである。
#6:レビューのもと、プロセスマッピングをきちんと行う
これも筆者が必要不可欠であると感じているものである。プロセスを可視化することで、全員がプロセスの内容を正しく理解できるようになるとともに、誰がどういったタイミングで作業を行い、他のプロセスやサービスとどのように関係するのかという理解も進むようになるわけである。
「Microsoft Visio」にはプロセスマッピングを行うための素晴らしいテンプレートが用意されているものの、この目的に特化したスタンドアロンツールも数多くあり、そのなかには複雑なプロセスや関連プロセスの扱いに長けているものもある。
プロセスマッピングを用いることで、意志決定に臨むうえで全員が同じ土俵に立ちやすくなる。
#7:「もしも」というシナリオに時間をかけておく
考え出した新たなプロセスにとらわれてしまわないようにする必要がある。そのプロセスが破壊に至る「もしも」というケースすべてを洗い出し、検討しておいてほしい。ここでの目標は、ソフトウェアのテストと同様、プロセスの弱点を洗い出し、それを補強することにある。プロセスのテストに時間をかければかけるほど、優れた成果が期待できるというわけだ。
#8:評価尺度を見つけ出しておく
評価できなければ、修正することもできない。また、BPIプロジェクトの成功を評価するには、そのための尺度を見つけ出しておく必要がある。最も攻撃しやすいプロセスを洗い出せば、「痛み」を評価する尺度を特定できるだろうが、それと同時に成功度合いを評価する尺度も見つけ出しておくというわけだ。例えば、顧客対応時の保留時間を2分以下に短縮したいという評価尺度もあるだろう。どのような評価尺度を使うにしても、しっかり定義したうえで、その評価尺度を用いて成功度を測るようにしてほしい。
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