三国大洋のスクラップブック

終わりを告げる安直なグローバル化の時代--フォックスコンとアップルの変化

三国大洋

2012-12-31 22:00


アップルのティム・クックCEO
2012年、さまざまな難題を次々と解決していったアップルのティム・クックCEO。今回紹介する話は、その中でも重量級の難題だ。

 New York Times(NYT)の連載特集「iEconomy」シリーズは、グローバル化と高度資本主義の「負」の側面を象徴する存在としてアップルに注目した大型の特集だ。

 この連載でも初回から何度かiEconomyを紹介しており、たとえば「アップルが悪役になる日」「アップル対アップル」「ジョブズの影を踏むオバマ大統領」「アップルが米大統領選で政争の材料に」などと、提示された問題点をひとつひとつ丹念に拾ってきたつもりだ。連載のアーカイブページ「三国大洋のスクラップブック」をさかのぼって、是非ご覧頂きたい。

 さて、その最新版にあたる記事が米国時間12月26日に公開された。中国の製造現場の変化がテーマだ。(CNET Japanの記事

 ページ数(ウェブ)にして5ページもある力の入った記事で、読み通すだけでも一苦労といった代物。下記のビデオでは「一カ月かけてのべ70人ほどのフォックスコン従業員にインタビュー」という説明も出てくる。

 今回は、この記事から気になった点をいくつか書きだしてみたい。

 なお、このビデオ、前半はHPの仕事を請け負っているクァンタの重慶にある工場内部に入っての取材、後半はフォックスコン成都工場で働く現役従業員へのインタビューとなっている。

ティム・クックの片腕が直轄する「最重要事項」

 記事の前半のなかばあたりに、フォックスコン(ホンハイ)の最高経営責任者(CEO)テリー・ゴウが、製造現場の実態を調査したFair Labor Association(FLA)というグループの代表から調査結果を聞かされ、「なんと恥ずかしいこと」「世界中が注目しているんだ。今すぐ改善させるぞ!」と叫んだという、あるミーティングの話が紹介されている。

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