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大河原克行のエンプラ徒然

繰り返されるスローガン「箱売りからサービスへ」 富士通の行方

大河原克行

2013-02-12 12:14

 富士通が2015年度を最終年度とする中期経営計画を策定、それに伴い削減と転籍を含む9500人の人事施策を発表した。

 中期経営計画では、2015年度に営業利益2000億円以上、純利益1000億円以上、フリーキャッシュフロー1000億円以上を目標とする。既存事業における収益確保は、2012年度見通しの営業利益1000億円の横ばいとするものの、高効率化による改善、垂直統合を核としたビジネス成長によって、営業利益2000億円以上を計上する考えだ。

 一方の人事施策では、半導体事業の再編により、すでに実施している同事業での2400人の人事施策に加え、パナソニックなどと設立する事業統合会社などに4500人の社員を転籍する計画。そのほかに、富士通グループで国内3000人、海外2000人の合計5000人の人員削減策を発表した。

 中期経営計画の目標達成では、同社の山本正已社長が課題事業と表現した「デバイス事業」「PC事業」「海外事業」の3つの事業における構造改革の実行が前提となる。

一通りの荒療治を終えたデバイス事業

山本正已氏
富士通の山本正已社長

 2012年度の通期業績見通しについて、売上高では今年度3回目となる下方修正で、前年割れとなる4兆3700億円に修正。最終損益は、10月公表値では250億円の黒字としていたものを、マイナス950億円の赤字へと大幅修正した。3つの事業の不振が大きくのしかかっているのがその理由だ。

 デバイス事業はすでに手を打ち始めており、岩手工場をデンソーへ譲渡。LSI生産後工程である富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジの会津、宮城、九州の各拠点も、ジェイデバイスへ譲渡した。今後は半導体事業を担当する富士通セミコンダクターのうち、システムLSI事業をパナソニックのシステムLSI事業と統合し、ファブレス形態の新会社を設立する。新会社には、日本政策投資銀行が出資する見込みだ。

 また、三重工場の最先端ラインとなる300mm生産ラインは、台湾のTSMCを含む新たなファウンドリ企業への移管を検討しており、新ファウンドリ企業には富士通も出資することになる。

 さらに、マイコン・アナログ事業に関しても「今後あらゆる可能性を検討する」(山本社長)と再編の対象と位置づけた。一方、三重工場の200mm生産ラインや富士通セミコンダクターテクノロジなどは、人員の適正化を図りながら会津若松地区に集約させ、「コンパクトな事業体として事業を継続する」という。

 このように、半導体事業における「荒療治」については、ひとまずの目途がついたといっていいだろう。

 むしろ、これからの課題となるのは「PC事業」と「海外事業」である。

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