コンシューマー系ではApple、Google、Facebookと並び称されるAmazon、ここ最近は労働問題、そして国家の枠をはるかに超えた活動からくる法人税関連の問題に直面している。
ドイツのARDという公共放送局が2月13日(現地時間)に放映したドキュメンタリー番組が同国内で大きな波紋を呼んでいる。
テーマはアマゾンの配送センターの実態。「Ausgeliefert! Leiharbeiter bei Amazon」という番組で、Google翻訳にかけたところ「Delivered! Contract workers at Amazon」との訳が出たから、「アマゾンに届けられた臨時雇いの労働者」といった感じだろうか。
番組の内容は「アマゾンの配送センターで働く外国人労働者が、ネオナチとの関連性が問題視される警備会社の警備員から恫喝されていた」というもので、すでにオンラインでも公開されている。
米国時間の2月15日には一部の英語ニュースサイトにこの話題が登場。有力紙にさまざまな見出しが踊った。
英インデペンデント
「アマゾン、ドイツでネオナチの警備員を使い移民労働者を管理」
英テレグラフ
「アマゾンにネオ・ナチを警備員に使った疑惑浮上」
米ニューヨーク・タイムス(NYT)
「アマゾン、独配送センターでの労働者恫喝疑惑の調査へ」
これらの英語圏メディアが伝えたARDの報道は、上掲の映像からも、かなりしっかりとした取材報道をしている様子が察せられる。インデペンデントの記事には、警備員らの宿泊先に潜り込んだ番組制作者がこっそり撮影しているところを押さえられ、「カメラを渡せ」「いやだ」と小競り合いになり、地元警察がくるまで一時間ほど拘束されたなどとあるから、まさに「身体を張った取材」といったところだろう。
「アマゾンは差別や恫喝を許容しない」
番組内容はというと、「スペインやハンガリー、ポーランドなど失業率の高い国々で集めた外国人労働者に、約束よりも少ない金額の賃金しか支払っていなかった」「外国人労働者の監視にネオナチと思われる荒くれ者をつかい、人権を無視した監視体制を敷いていた」と要約できよう。