グーグルとサムスンはアップルを相手に「夫唱婦随」で戦っていると思われていた。
しかし、その夫婦仲がなにやら怪しいことになっている——。
2月25日のWall Street Journal(WSJ)にそんな話が掲載されていて非常に興味深い。また、広告業界の動きを追うAdAgeには、グーグルとサムスンの緊張関係の高まりを示す一例として、昨年末にグーグルが引き抜いたサムスン幹部の話も載っている。
アンディ・ルービンが示した「サムスン潜在脅威論」
アンディ・ルービンはサムスンの潜在的な脅威を認識しているようだ
「グーグル社内では、サムスン(の潜在的脅威)についての懸念が公然と議論されている」——そんな一文も含まれるのがWSJの記事だ。
この記事で発見できる新しい事実としては「Android事業の責任者で、ラリー・ペイジ政権の『七奉行』(L Team)の一人とされるアンディ・ルービンが、昨年秋にあった社内会議の席上、スマートフォン分野でのサムスンの成功を褒め称えると同時に、「Android陣営でサムスンがあまりに大きな存在になりすぎると、今度はかえって厄介なことになりかねない」とする「サムスン潜在脅威論」的な見方を披露。さらに昨年春に買収を完了したモトローラについて「万が一そうなったときのための保険」もしくは「ヘッジ」と語ったという。
これらのコメントの情報元は、例によって「事情を直接知る人物の話」だが、それでも両社の関係の現状や、グーグルに将来降りかかってきそうな難題、あるいはそれぞれが関係のバランス維持もしくは上手(うわて)を取るために使えそうな策について、きっちり書き込まれていてかなり面白い。
ここでまず、両社とその関係を示す数字を拾ってみたい。出典は基本的にWSJの記事で、AdAgeの記事に依拠した場合はそれを明示する。