
Pivotal HAWQのパフォーマンスはHiveやImpalaに比べてもはるかに高速というベンチマーク結果
ビッグデータだけでは不十分、今は“ビッグ&ファスト”データだ
Pivotal Oneの構成を見ると、エンタープライズPaaS、それもビッグデータアナリティクスにフォーカスした開発基盤であることがわかる。Pivotal Oneの特徴について、Maritz氏は以下のポイントを挙げている。
- オープン/オープンソース
- データセントリック
- マルチクラウド
- デベロッパーフレンドリ
- エンタープライズフレンドリ
コンシューマーやスタートアップにあってエンタープライズに足りない要素のひとつが、ビジネスのスピードであることはよく指摘されてきた。逆に言えば、エンタープライズのアプリケーション開発にアジリティをもたせられれば、企業は強い競争優位性を獲得することにつながる。Pivotal Oneはそうした時代のニーズに応じたスピーディなアプリケーション開発を実現する次世代エンタープライズPaaSだといえる。
社名、そして製品名にアジャイルで鳴らしたPivotalの名を冠したところからも、クラウド時代のアプリケーション開発にはスピードが必要不可欠であるという認識をMaritz氏やEMCが強く持っていることがうかがえる。圧倒的なスピードに加え、オープンで使いやすいビッグデータ技術を提供することで、エンタープライズはようやくコンシューマーグレードなIT環境を手に入れられるというわけだ。
「最早ビッグデータはビッグであるだけではダメだ。今求められているのは“ビッグ&ファスト”データを扱えるプラットフォームである」(Maritz氏)
エンタープライズIT業界のレジェンドでありビジョナリーとして、世界中の開発者やビジネスパーソンから尊敬を集めるMaritz氏が、VMwareのCEOという役職を投げ打ってまでPivotal Oneに取り組みたいと熱望したという。「Pivotal Oneでもって、Analytics-as-a-Serviceの裾野を拡げたい」と語ったMaritz氏。
Pivotal Labsの買収からわずか1年、ローンチからはわずか数週間でPivotal Oneの発表というスピーディな展開に至ったところからも、EMCと同氏のビッグデータビジネスへの強い意気込みが感じられる。一度買収したPivotal Labsをわざわざ別ブランドとして切り離し、業界随一のエグゼクティブであるMaritz氏をCEOに据えたのも、EMCという巨大企業では迅速なローンチが難しいと判断したためだろう。
エンタープライズユーザーにスピードを届けるために、自ら範となった感すらある。この次世代PaaSがアナリティクス市場にどんな影響を与えることができるのか、その答えはそう遠くないうちに見えてくるだろう。

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