前VMware CEOのMaritz氏が仕掛けるアナリティクス基盤「Pivotal One」とは--EMC World 2013 - (page 3)

五味明子

2013-05-09 13:09



Pivotal HAWQのパフォーマンスはHiveやImpalaに比べてもはるかに高速というベンチマーク結果

ビッグデータだけでは不十分、今は“ビッグ&ファスト”データだ

 Pivotal Oneの構成を見ると、エンタープライズPaaS、それもビッグデータアナリティクスにフォーカスした開発基盤であることがわかる。Pivotal Oneの特徴について、Maritz氏は以下のポイントを挙げている。

  • オープン/オープンソース
  • データセントリック
  • マルチクラウド
  • デベロッパーフレンドリ
  • エンタープライズフレンドリ

 コンシューマーやスタートアップにあってエンタープライズに足りない要素のひとつが、ビジネスのスピードであることはよく指摘されてきた。逆に言えば、エンタープライズのアプリケーション開発にアジリティをもたせられれば、企業は強い競争優位性を獲得することにつながる。Pivotal Oneはそうした時代のニーズに応じたスピーディなアプリケーション開発を実現する次世代エンタープライズPaaSだといえる。

 社名、そして製品名にアジャイルで鳴らしたPivotalの名を冠したところからも、クラウド時代のアプリケーション開発にはスピードが必要不可欠であるという認識をMaritz氏やEMCが強く持っていることがうかがえる。圧倒的なスピードに加え、オープンで使いやすいビッグデータ技術を提供することで、エンタープライズはようやくコンシューマーグレードなIT環境を手に入れられるというわけだ。

 「最早ビッグデータはビッグであるだけではダメだ。今求められているのは“ビッグ&ファスト”データを扱えるプラットフォームである」(Maritz氏)

 エンタープライズIT業界のレジェンドでありビジョナリーとして、世界中の開発者やビジネスパーソンから尊敬を集めるMaritz氏が、VMwareのCEOという役職を投げ打ってまでPivotal Oneに取り組みたいと熱望したという。「Pivotal Oneでもって、Analytics-as-a-Serviceの裾野を拡げたい」と語ったMaritz氏。

 Pivotal Labsの買収からわずか1年、ローンチからはわずか数週間でPivotal Oneの発表というスピーディな展開に至ったところからも、EMCと同氏のビッグデータビジネスへの強い意気込みが感じられる。一度買収したPivotal Labsをわざわざ別ブランドとして切り離し、業界随一のエグゼクティブであるMaritz氏をCEOに据えたのも、EMCという巨大企業では迅速なローンチが難しいと判断したためだろう。

 エンタープライズユーザーにスピードを届けるために、自ら範となった感すらある。この次世代PaaSがアナリティクス市場にどんな影響を与えることができるのか、その答えはそう遠くないうちに見えてくるだろう。


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