オラクル、公益業界向けアプリケーション新版--メーターデータも効率活用

大河原克行

2013-07-23 17:50

 日本オラクルは7月23日から電力やガス、水道などの公益業界向けアプリケーション群「Oracle Utilities」最新版の提供を国内で開始する。公益業界向けに特化しており、料金管理や顧客管理、自動配電管理、メーターデータ管理、作業管理など、配電から小売業務までを支援する。

 最新版は、料金顧客管理アプリケーション「Oracle Utilities Customer Care and Billing 2.4」、メーターデータ管理アプリケーション「Oracle Meter Data Management 2.1」となっており、スマートグリッドネットワークと統合するためのアプリケーション「Oracle Smart Grid Gateway」を追加した。


日本オラクル 公益グローバル・ビジネス・ユニット 日本・アジア太平洋地区 セールスシニアディレクター 芝好勇治氏

 「送電や変電、配電、営業の領域に関するアプリケーション群であり、業界特有の料金体系や顧客管理、メーターデータ管理機能の拡充により、電力、ガス、水道事業の販売を支援する基盤を提供できる」(日本オラクル 公益グローバル・ビジネス・ユニット 日本・アジア太平洋地区セールスシニアディレクターの芝好勇治氏)としている。

スマートメーターのデータを有効に活用

 Utilities Customer Care and Billing 2.4では、公益事業の販売業務に必要な料金設定、マーケティング、販売、顧客サービス、契約管理、検針、請求管理、メーター、機器管理、保守点検作業など各種機能を提供する。

 最新の開発フレームワークである「Oracle Utilities Application Framework」に対応することで、公益企業が必要とする機能拡張を可能にしたり、スマートグリッド向けの新しい料金計算エンジンの追加で多様化する料金単価、料金計算の変更に柔軟に対応。業界標準となっている「Java」を多く採用することで、技術者の確保や他システムとの親和性を高め、システム開発の効率性が向上するという。

 「営業、マーケティングとの連携、業務との連携、既存システムとの連携などの柔軟性を持っている。多様な料金メニューに短期間で対応できるほか、海外での事例をもとに日本独自の日割計算や各種料金体系に対応。標準機能でほとんどのマスターに対して自由に項目を追加できるほか、帳票についても簡易に開発が可能。これらの機能は、日本のユーザーにとっては重要な機能になると考えており、業務領域をカバーできる」

 Utilities Meter Data Management 2.1は、スマートメーターが送信する、さまざまデータを検証、格納し、データを他のシステムと連携させる機能を持つ。電力、ガス、水道の使用量、利用状況の記録、監査を実施する機能を追加したほか、料金計算に必要となるメーターデータの集計処理を新たに追加している。

 「AMI(Advanced Meter Infrastructure)ベンダーと連携したソリューションとして提供するのがUtilities Meter Data Management。正しいデータであることを確認し、それだけを格納することができるほか、すぐに料金を計算するために、他システムと連携できる点も特徴だ。ExadataやExalogicを活用することで、東京電力の規模であっても、スマートメーターから30分値で発信される大量のデータもハーフラックの規模で処理できる。これも日本の企業に提供できる機能だといえる」

 Utilities Smart Grid Gatewayは、データを収集し、通信を制御する“ヘッドエンド”特有のデータ形式をメーター機器向けのデータ形式に変換するアダプタを提供する。スマートメーターの事業者やメーター機器を接続する複数のスマートグリッドの基盤(AMI)に対応し、さまざまなスマートメーターと機器への遠隔操作を可能する。これにより、一元的な操作を実現し、業務効率の向上に貢献するという。

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