クラウドを積極的に採用する企業は、導入に慎重な企業と比べて、2倍の収益成長と約2.5倍の粗利益成長という。米IBMが10月24日に発表した調査で明らかになっている。
調査からは、最高経営責任者(CEO)や最高マーケティング責任者(CMO)、人事や調達の部門責任者といった意思決定を担う責任者にとってクラウドの戦略的重要性は今後34%から72%に跳ね上がるという。これはIT責任者の58%を超える結果と説明している。
全体の約5分の1の企業は、クラウド導入で一歩先を進んでおり、コスト削減や効率アップにとどまらない競争力強化を実現していると説明。この5分の1の企業は、クラウド活用の有用性を認識しており、より良いビジネスを決定するための知見を得るため、クラウドでアナリティクスを幅広く活用する機会が、ほかの企業の2.7倍となっていることも判明している。
こうした先進企業は、顧客との関係を向上させるためのクラウド活用が2.36倍とし、競合企業との差別化にもクラウドを活用しているという。クラウドに積極的な企業は慎重な企業よりも以下のような成果をあげていると説明している。
- データに基づく意思決定にクラウドを活用する可能性が2.17倍
- より強力に連携するためエコシステムの中で知見を発見し、活用する可能性が79%高い
- ITとそのほかの事業の関係向上に66%がクラウドを活用し、大部分がモバイルやソーシャル、アナリティクスなどの統合や適用にクラウドを活用
調査は、IBMの「Center for Applied Insights」が802のクラウド採用担当社やユーザーを対象にした。回答者の内訳は、最高情報責任者(CIO)が28%、そのほかのCxOが12%となっている。成長市場と成熟市場を含む13カ国23業種のIT部門と非IT部門から均等に選出。調査参加者は21%が従業員数1万人以上の大企業に勤務、26%が従業員数1000人以下の大企業に勤めている。調査結果(英文、PDF)はウェブから利用できる。