戦略的重要性高まるクラウド:積極的な企業の売り上げ、慎重な企業の2倍

田中好伸 (編集部)

2013-10-31 16:29

 クラウドを積極的に採用する企業は、導入に慎重な企業と比べて、2倍の収益成長と約2.5倍の粗利益成長という。米IBMが10月24日に発表した調査で明らかになっている。

 調査からは、最高経営責任者(CEO)や最高マーケティング責任者(CMO)、人事や調達の部門責任者といった意思決定を担う責任者にとってクラウドの戦略的重要性は今後34%から72%に跳ね上がるという。これはIT責任者の58%を超える結果と説明している。

 全体の約5分の1の企業は、クラウド導入で一歩先を進んでおり、コスト削減や効率アップにとどまらない競争力強化を実現していると説明。この5分の1の企業は、クラウド活用の有用性を認識しており、より良いビジネスを決定するための知見を得るため、クラウドでアナリティクスを幅広く活用する機会が、ほかの企業の2.7倍となっていることも判明している。

 こうした先進企業は、顧客との関係を向上させるためのクラウド活用が2.36倍とし、競合企業との差別化にもクラウドを活用しているという。クラウドに積極的な企業は慎重な企業よりも以下のような成果をあげていると説明している。

  • データに基づく意思決定にクラウドを活用する可能性が2.17倍
  • より強力に連携するためエコシステムの中で知見を発見し、活用する可能性が79%高い
  • ITとそのほかの事業の関係向上に66%がクラウドを活用し、大部分がモバイルやソーシャル、アナリティクスなどの統合や適用にクラウドを活用

 調査は、IBMの「Center for Applied Insights」が802のクラウド採用担当社やユーザーを対象にした。回答者の内訳は、最高情報責任者(CIO)が28%、そのほかのCxOが12%となっている。成長市場と成熟市場を含む13カ国23業種のIT部門と非IT部門から均等に選出。調査参加者は21%が従業員数1万人以上の大企業に勤務、26%が従業員数1000人以下の大企業に勤めている。調査結果(英文、PDF)はウェブから利用できる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]