三国大洋のスクラップブック

グーグルのモトローラ買収&売却をめぐる損得の皮算用

三国大洋 2014年02月06日 16時38分

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 遅まきながら、GoogleのMotorla Mobility(Motorola)売却に関する話題をひとつ。

旧Motorola特許の価値を巡って分かれる評価

 先週(米国時間1月29日)に発表されたLenovoへのMotorola売却に関連して、Google側の“正味の損得”を皮算用した記事をいくつか見かけた。2011年8月に発表していたMotorolaの買収でGoogleが支払った125億ドルを元に、そこから事業売却などで同社が回収した金額を差し引いていったもののことである。

 回収分の中で金額がほぼ確定しているのは、旧Motorolaから引き継いだ流動性資産(現金、約29億ドル)、ケーブルテレビ用セットトップボックス(STB)事業の売却益(23.5億ドル)、そしてLenovoへの携帯端末事業売却分(29.1億ドル)など。

 一方、Googleの手元に残る特許ポートフォリオの資産価値と、同社が補填したMotorolaの赤字額については見方が分かれているが、ただし後者については累計の営業赤字額20億ドル以上といったところはほぼ共通している。

 IEEE SpectrumではGoogleの2013年第4四半期決算の結果を踏まえて「22.4億ドル」という数字を挙げている。それに対し、ZDNetではざっくり「20億ドル以上」というPacific Crestの証券アナリストの試算を紹介しているが、これは同決算発表前の記事だったためと思われる(前四半期までの累計が18.5億ドルで、これに発表された第4四半期の営業赤字額3億8400万ドルを足すと22.34億ドルとなる)。またBloombergではこれが約20億ドルとなっている。

 金額に大きな開きが出るのはこの先で、ひとつは赤字分=損金処理で発生する税金の扱い、そしてもうひとつが一番肝心の特許の資産価値の評価だ。

 前者については、ZDNetが24億ドルとしているのに対し、Bloombergが10億ドル。そして、特許の資産価値については、IEEE Spectrumが(ZDNetの24億ドルを踏まえる形で)節税分を含んだ場合が41.8億ドル、含まない場合は65.8億ドルと記す一方、Bloombergでは「だいたい52億ドル」になるとしている。

 さらに、ZDNetでは「多くのアナリストの評価はだいたい40億ドル」とした上で、Googleの自己申告である55億ドルをそのまま使ったJefferiesアナリストの試算も紹介している。具体的には次のようになっている。

Googleが手にした額:合計136.6億ドル(その内訳)

  • 旧Motorolaから引き継い現金:約29億ドル
  • 特許ポートフォリオ:55億ドル
  • ArrisへのSTB事業売却額:23.5億ドル
  • Lenovoへの携帯端末事業売却額;29.1億ドル

 下掲のBloomberg TVに出ているのもほぼ同様の見方――つまり特許ポートフォリオをGoogleの自己申告通り55億ドルで計算すると「トータルの収支はプラス」というものだ。

[Google-Lenovo Deal: Back of the Envelope Math - Bloomberg TV]

 しかし、これらよりもずっと厳しい見方をしているところも一部にはある。

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